世界的な高級リゾート地ドーヴィルを拠点とするフランスのセリ会社「アルカナ社」が、夏期限定で“フランス競馬”の魅力に迫る現地最新情報をお届けします。
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競馬とサラブレッド・オークションが開催される8月のドーヴィルは、真夏の競馬の祭典にふさわしい盛り上がりを見せます。
ドーヴィル競馬場で行われるレースには、世界のトップクラスの競走馬が集結し、アルカナ社が主催するオーガスト・1歳馬セールには、一流の血統を持つ1歳馬たちを求めて、世界中のバイヤーたちが足を運ぶのです。
アルカナ ――フランスNo.1のサラブレッド・オークション会社
1887年の8月以降、ドーヴィルはサラブレッド市場の中心地として知られ、ドーヴィルに拠点を置くアルカナ社は、2006年の創設以来、フランスにおける競走馬市場を席捲してきました。
アルカナ社の前身である「アジェンス・フランセー」社の創設者「エリー・ドゥ・ブリニャック」の名前がつけられたセールス・リングは、現在もアルカナ社のシンボルとなっています。
アルカナ社の大株主であるブリーダーのアガ・カーン殿下を含む数名の投資家とともに、現在の社長であるエリック・オヨ氏が創設したアルカナ社は、モダンでダイナミックなオークション会社として、フランス最大、そしてヨーロッパ第2の規模を誇る会社に成長しました。
2018年だけで、アルカナ社が主催したオークションは11あり、合計2710頭が購買され、総売上高は13,800万ユーロ(約170億円)にのぼりました。
昨年、アルカナ社主催のオークションで最も高い価格で購買されたのは、オーガスト・イヤリングセールでラ・モテラーヤ・コンサインメントから上場された父ドバウィ、母はGI勝ち馬ジャストザジャッジの牡馬で、購買価格は140万ユーロ(約1億7200万円)でした。
オーガスト・1歳市場
8月17日(土)から20日(火)ドーヴィルで開催。
欧州における1歳市場サーキットは、アルカナ社が主催する8月のドーヴィルセールで幕を開けます。トップクラスのレースが行われるドーヴィル競馬開催と同時期に開催されるドーヴィル・1歳馬セールには、フランスだけでなく、欧州の一流生産牧場から約400頭の良血馬が上場されます。
最初の2日間行われるセレクトセッションには約200頭が上場され、過去のセールにおける平均価格は、235,000ユーロ(約2900万円)、総売り上げは2900万ユーロ(約35億円)となっています。
また、セール最終日には、「仕上がりが早そうで、デビューも早そうな馬たち」を集めてほしいという多くの要望に応えて開催されることになった「V2」セールが開催されます。早めに動ける馬たちだけが揃ったV2セールには、およそ130頭が上場される予定です。
アークセール ――実績十分な現役競走馬市場
凱旋門賞の前夜に行われるアークセールは、実績十分な厳選された現役馬のセールです。
昨年のアークセールで、マーティン・シュワルツ氏が390万ユーロ(約3500万円)で購買したリスグラシューの従姉妹にあたるリリーズキャンドルが、セール翌日に行われたGIマルセルブーサック賞に見事優勝しました。
ブリーディングストックセール ――フランス最高の繁殖セール
アルカナ・ブリーディングストックセールは、12月に行われる欧州最高の血統を持つ当歳馬、現役馬、繁殖牝馬が上場されるミックスセールです。
アガ・カーン・スタッド、ゴドルフィン、ヴェルトハイマー兄弟ら、欧州のトップブリーダーが送り出す豊富な一級品の数々に、世界中からバイヤーたちが集まるセールとなっています。
初日のセレクトセッションに上場される200頭を含む、およそ1000頭がエントリーされます。
リリーズキャンドルは、アークセールで購買された後、わずか2カ月後に行われた12月のブリーディングストックセールに再び上場され、吉田勝己氏が110万ユーロ(当時のレートで約1億4000万円)で購買したことは大きな話題を呼びました。
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