競馬開催日に騎手のサポートをするバレット。競馬の最前線で戦う彼らは、きめ細やかな気配りで勝負モードの騎手を支えるパートナーであり、騎手の大切な勝負道具である馬具を扱うエキスパートでもあります。
今回、JRAジョッキーのバレットを務める松田さんに、「この人の馬具はオシャレだな〜」と日頃から感じているジョッキーを3回にわたって紹介していただきます。
皆様、初めまして。バレットをさせて頂いております松田です。この度、「バレットが選ぶ!馬具のオシャレなジョッキー!!」の企画を頂き、原稿を書かせていただくことになりました。
簡単にバレットとは、主に騎手が使用するヘルメットや鞍の検量準備、後片付けをする職業になります。その他にも馬場状況の確認やレースに出る馬のデータ化など、個人契約のバレットは騎手毎に仕事が違ってきます。
そんな身近で、沢山の騎手の馬具を見る立場からも、オシャレ馬具の騎手を紹介していきたいと思います。
その前に、騎手が身に着けているレース用の馬具と鞍などの馬具を簡単に紹介します。
▲競馬当日の騎手の装備と、馬の装備
さて、前置きが長くなりましたが、第1弾に登場するのはこの方!「イタリアが生んだ、青い目の侍」ミルコ・デムーロさんです。
なぜか口癖が「だで」となまっているミルコさんですが、その理由は分かりません。しかし、鉛ゼッケンや馬具のこだわりについては分かっておりますので、ご紹介させて頂きます。
【1】鞍・腹帯 「鞍は小さくても腹帯は大きなものを」
騎手の中でも群を抜いて馬具が多いミルコさんですが、鞍の数もかなり多くあります。
まずは斤量に合わせ600g、800g、1kg、1.2kg、2kgの鞍と種類があります。
▲1.2kgのスタンダードな鞍
▲800gの軽量鞍
北海道・砂川にあるSOMES SADDLEさんに作って頂いているんですが、その他にもアメリカ製の鞍も準備されています。日本の物と比べると大きくて重く、革は硬めになっているのがアメリカ製の特徴でもあります。
その他にも腹帯と呼ばれる鞍と馬を繋ぎとめる帯があります。こちらは全てゴム製で、伸びる設計になっています。
こちらも斤量に合わせ軽いものからアメリカ製まであります。アメリカ製は日本の物よりもゴムの幅が少ない代わりに、紐が長くなっており、少し軽くなっているのが特徴です。
ミルコさんのこだわりとしては、鞍は小さくても腹帯はしっかりした大きなものを使いたいというのがポリシーです。
しかし、少しでも大きな鞍を使いたいのが騎手心理ですので、体重を余分に落とし、鞍も大きいのを使うのが騎手の皆様はこだわっているポイントでもあります。
▲特注のレザーで作った鞍
【2】ムチ 「勝負服に合わせたカラーリング」
ムチの種類も騎手の中で一番あるミルコさん。何が違うのかを説明していきます。