バランスが良く見栄えがするカテドラル(c)netkeiba.com
古澤秀和です。今週は中京記念が行われます。元々荒れるレースですが、1600mに2000mから条件が変わった近7年間で1番人気が勝ったのは昨年のグレーターロンドンだけという荒れ傾向にあるレース。この中京記念について、馬場や馬体の面から解析していきたいと思います。
【馬場傾向】
先週日曜は不良→重という開催でしたが、10RのフィリピンTで1200m1分8秒4と悪くない時計が出ていましたが、馬場としてはハーツクライ産駒やオルフェーヴル、ブラックタイドなどスタミナ系サンデーサイレンス産駒の好走が目立っていたように、スタミナが問われる馬場でした。ただ、ハービンジャーでコロンとした体型の馬などは基本的に消えていました。
馬場の伸びどころとしては、先週はBコース使用でしたが、最内も伸びているので、本来は開ける必要がなさそうです。レースとしては逃げ馬が少し外に出している程度でしょうか。直線一気の競馬は厳しく、好位からしっかり伸びるのが好走の原則です。ただ、先週あの馬場での競馬だったので、外差しが利くようになる可能性はあるので、その辺りは注意が必要ですが、今週もずっと雨予報なのである程度のポジションは必要でしょう。前に行けるハーツクライ、ステイゴールド、オルフェーヴル、ブラックタイドなどスタミナ系サンデーサイレンス系産駒が狙い目です。
【馬体診断】
これらの事を踏まえながら、各馬の馬体を見ていきましょう。
カテドラル 父ハーツクライ 母父ロックオブジブラルタル 元々バランスが良く見栄えがする馬ですが、トモの筋肉が更についてきた印象。順調に良くなっています。ツナギの角度も理想的ですし、前走時よりもゆったりと見える胴回りもスタミナの要る馬場で良いでしょう。前走時ほど仕上げてきてはいないですが、今回でも十分動ける張りと仕上げだと思います。
グルーヴィット 父ロードカナロア 母父スペシャルウィーク 前脚が短くツナギも短い馬体。ダートの1400mで2連勝しているように短距離に適性があると思います。他のパーツも窮屈で、1600mは少し長いと思います。
プリモシーン 父ディープインパクト 母父Fastnet Rock 無駄の無い好馬体。その中の筋肉は張り詰めていて、胸前の筋肉の逞しさから道悪もこなせそう。むしろダートの走りも見てみたいくらい。馬場や条件はこなせると思います。今回はこの馬場状態で実質トップハンデの斤量をこなせるかがカギとなりそうです。
ミエノサクシード 父ステイゴールド 母父A.P.Indy 前のツナギが立っているのが特徴。このツナギで父ステイゴールドだけに道悪は問題ないでしょう。タフな馬場で強いタイプですし。近走の成績からもここはむしろチャンスと言って良い場面だと思います。ただ、後方からの競馬が多いので、ポジショニングだけでしょう。
ロワアブソリュー 父ゼンノロブロイ 母父Souvenir Copy ボリューム満点の体付き。太く見せる体型の馬ですが、それにしても余裕残しには見えます。ただ、筋肉の張りはあるので走れる態勢にはありそうです。現状は半信半疑で、調教の動きと共に判断したいタイプです。
ロードクエスト 父マツリダゴッホ 母父チーフベアハート バランスの取れたマイラー体型で、無駄肉が取れて走りやすい状態だと思います。能力は上ですが、スタミナを問われる馬場や道悪がカギになりそうです。
【総括】
現状では好走条件に最も当てはまっているのがカテドラルでしょう。斤量を考えても上位争いは必至だと思います。他ではミエノサクシードあたりに注目したいところです。他に写真で確認できていない馬もいますので、結論は当日の馬場も合わせてウマい馬券の直前予想で。
■プロフィール
古澤秀和(ふるさわひでかず)
2002年に雑誌「競馬王」でデビューしたのを機に、プロ予想家としての活動を開始。中央競馬で全レースのパドック・返し馬を徹底観察。そこから競走馬の能力、適性などに加え脚質も見抜き、馬券を組み立てる。パドック派にありがちな本命予想ではなく、複勝で10倍を超えるような穴馬を見つけるのが得意。
必ず開催競馬場に足を運び、生の馬を徹底観察。繋(つなぎ)や蹄、体型、骨量、筋肉の量・質、関節の柔軟性や、脚元、馬具などのデータを採取。それを基盤としながら、血統やレースリプレイ、過去データ分析などのファクターを絡めて予想している。主に各馬の「適性」を見極めることに注力し、「適性外の条件で惨敗」→「適性条件で巻き返し」というパターンに重点を置いた予想を展開。これにより、複勝10倍を超えるような穴馬も高頻度でピックアップしている。