ザイディックメアは、中央時代に栗東の村山明厩舎で5勝を挙げ、オープンクラスを中心に走り、重賞レースなどにも出走してきました。6月1日のスレイプニルS(14着)を最後に中央競馬は卒業し、新天地の南関競馬へ。
川崎・山崎裕也厩舎の一員となり、初戦は7月18日の準重賞スパーキングサマーチャレンジ(川崎・1600m)でした。これは8月22日の重賞スパーキングサマーカップ(川崎・1600m)のトライアルレース。
ザイディックメアは追い切り時計があまり出るタイプではなく、初めてのナイターや小回りなどクリアをしなくてはならないことも多く、陣営が手探りであったことは否めない部分でしょう。しかし、レースでは地力の高さというのをまざまざと見せつける形になりました。
山崎誠士騎手を背に、道中は2番手を追走していき、逃げ粘ろうとしていた3歳馬トーセンボルガをゴール前に力でねじ伏せる形で抜き去り、移籍初戦を飾りました。ザイディックメアにとっては昨年2月の伊丹S以来となる約1年5か月ぶりのうれしい勝利。
ザイディックメアの移籍初戦を飾った関係者の口取り写真。向かって右から、山崎調教師、山崎騎手、長友厩務員(提供:山崎裕也厩舎)
「特にこの馬だからと変わったことはしていないのですが、あまり前向きな馬ではないので追い切りの間隔をつめながらやってきて、最後の追い切りではまあまあかなというところまではきましたが、手探りの中でも思っていた以上の走りをしてくれました。実戦向きですし、タフな馬です。
僕自身が初めて準重賞を勝つことができたのでうれしかったですが、口取りに集まってくださった会員さんたちの喜ぶ姿を間近に見せて頂けたことも感慨深いものがありました。
馬房にいる時でも首を激しく動かしたりして、7歳ですがまだまだ若々しさはあって、上積みもあると思います。スパーキングサマーチャレンジを勝たせて頂いて優先出走権を取れたので、まだA2クラスですが次の重賞にチャレンジしたいです」(山崎調教師)。
男前のザイディックメア。小向トレセンは厩舎地区から横断歩様を渡って調教馬場に向かいます。ザイディックメアも、最初からどっしりと落ち着いて横断歩道を渡っていたそうですよ!
川崎の新進気鋭、山崎調教師は、現在の川崎最年少調教師で37歳。騎乗した山崎誠士騎手は3歳下の弟で、お父さんは同じ川崎の山崎尋美調教師という、川崎競馬界のサラブレッド(父方と母方の祖父たちも調教師だったそうです)。
2014年に管理馬を初出走させ、勝ち星をコツコツと積み重ねていき、昨年は1年間で50勝も挙げ、川崎リーディングの上位にも名を連ねました。
フレッシュな調教師とスタッフたちが集結している、明るく元気でパワフルな伸び盛りの厩舎です。リスタートしたザイディックメアが、この新天地でどんな競走生活を送っていくのでしょうか。人馬ともに、念願の重賞初制覇に向けて……。
ザイディックメアがお住いの山崎裕也厩舎の外観です。ひと際目立つ立派な門構え
次回は8月5日(月)にお会いしましょう!