▲シュヴァルグランと、今回初コンビを組むマーフィー騎手 (C)netkeiba.com、撮影:下野雄規
今年は日本からシュヴァルグランが参戦する、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS。海外遠征初戦となったドバイシーマクラシックは2着。06年Vハーツクライに続く父仔制覇という“偉業”は叶わなかったが、今度はその父が敗れた舞台での“リベンジ”となるのか。
フランスを中心とした世界の競馬事情を、地元のパリターフ紙など様々な媒体を通じ発信する、レーシングジャーナリストのリズ・プライスさんによる、今年のキングジョージ展望をお届けします。
後編では、“Stop the Enable”を掲げ、虎視眈々と王者の座を狙うライバルたちを紹介。各馬の陣営コメントと共に考察します。
エネイブルに待ったをかける、豪華絢爛のライバルたち
今年の出走予定メンバーはとにかく豪華であり、記憶に残る名勝負になることに疑いようはないでしょう。特に絶対女王エネイブルの参戦に、競馬ファンの関心が集まっていますが、虎視眈々と逆転を狙う有力馬も揃いました。
クリスタルオーシャンが逆転候補の一番手でしょう。5歳の牡馬ですが、今年の更なる成長ぶりは目を見張るものがあります。昨年のキングジョージでは、ポエッツワードにクビ差敗れましたが、アスコット競馬場での成績は【2-2-1-0】という安定ぶり。
昨年のセプテンバーS(9/8・ケンプトンパーク競馬場・AW2400m・G3)で一度エネイブルと対戦したことがあります。その時は2着に敗れていますが、得意のアスコット競馬場に替わって、充実一途のこの馬が逆転を狙います。
▲前走でG1初制覇を飾ったクリスタルオーシャン、女王エネイブルにリベンジへ(写真右、19年プリンスオブウェールズS優勝時、提供:Racingfotos.com)
夏の祭典・キングジョージには、その過酷さ・タフさゆえ、有力な3歳馬がこぞって参戦するケースはあまりありません。しかし今年は伝統の英ダービーを制したアンソニーヴァンダイクが参戦します。これが今年のキングジョージにGood Spice! 若き素質馬が世代交代を狙います。
エイダン・オブライエン調教師によると