
▲グルーヴィットとの初コンビをものにした松山弘平騎手(c)netkeiba.com
ハンデ戦らしい見ごたえのある決着となった先週の中京記念、制したのは松山弘平騎手と新コンビを組んだ3歳馬グルーヴィットでした。枠の並び的にレースの進め方が難しく、馬が若干躊躇する仕草も見せていたなか、最後まで底力を発揮したのは、松山騎手が道中で見せたさりげないカバーや気遣いがあったと分析する哲三氏。今回はそれらのポイントを中心に解説していきます。(構成:赤見千尋)
「頑張れよ!」ではなく、「頑張って!」というソフトな叱咤激励
中京記念はゴール前大接戦の見ごたえあるレースでしたね。4着までがコンマ1秒差の中、ハナ差で勝ち切ったのが3番人気だったグルーヴィット&松山(弘平)君。中団前くらいの位置取りから、長くいい脚を使っての勝利でした。
■7月21日 中京11R(5番:グルーヴィット)
グルーヴィットはこれまで内枠だとあまり良さが出せていなかった印象で、ファルコンSのように外目の枠からだとスムーズに競馬が出来るのかなと。NHKマイルの時は不利もちょっと受けたみたいでしたが、若干馬が躊躇するところに寄られているという感じもあったし、今回3枠5番からのレースで、ジョッキーがどうカバーするのかなと思いながら見ていました。
スタートを決めて中団前の揉まれない位置を取ることが出来て、この部分は上手くいった。でもついて行っている分なのか、なんとなく馬が「居心地悪いな」という仕草をしているように見えました。そうなると徐々に置かれていくのでジョッキーは叱咤激励するわけですが、松山君の「お願い!頑張って!」という気持ちが馬に伝わったのではないかと。
松山君の乗り方って、「頑張れよ!」ではなくて、