世界的な高級リゾート地ドーヴィルを拠点とするフランスのセリ会社「アルカナ社」が、夏期限定で“フランス競馬”の魅力に迫る現地最新情報をお届けします。
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ドーヴィル競馬は真夏の競馬の華
ノルマンディー地方の海岸沿いにあるドーヴィル競馬場は、7月27日から8月28日まで行われるフランス夏競馬の舞台として、世界的に大変知られています。
1864年にドーヴィルで競馬が開催されて以来、ドーヴィル開催は、夏の伝説的なイベントとしてだけでなく、世界のエリートホースやジョッキーを迎えて行われる、最も重要な国際競馬開催とされてきました。
19日間の競馬開催中は、18の重賞競走と6つの格式高いG1競走が行われ、合計158のレースに、延べ1700頭を超えるサラブレッドたちが集結します。
短距離、長距離、芝、オールウェザー、直線レースと、多岐にわたる番組が用意されていて、全開催には、およそ6万5千人の競馬ファンが来場する大変人気の高い競馬場です。
夏のドーヴィル開催の賞金総額は、およそ850万ユーロ(約10億2900万円)で、売り上げ高は2億2千万ユーロ(約266億円)となっています。
ドーヴィル競馬の華麗な歴史
ドーヴィル開催において最高の賞金を誇るレースが、3歳馬と古馬によるマイルチャンピオン戦・G1ジャックルマロワ賞です。日本の安田記念と同等の格付けをされていて、まさに世界最高峰のマイル戦です。
過去の勝ち馬には、フレディ・ヘッド調教師が手掛け、G1・14勝の偉業を果たしたヴェルテメール兄弟の所有馬ゴールディコーヴァや、インヴィンシブルスピリットの直仔で、現在はジャドモントファームに繋養され、産駒のペルシアンキングが今年のプール・デッセ・デ・プーラン(仏2000ギニ―)を制したキングマンなど、最強マイラーが名を連ねています。
また、知名度が高いだけでなく、フランス競馬における歴史的なレースの1つとされているモルニー賞には、世界中の優秀な2歳馬たちが、芝の直線1200mを舞台に、欧州最強2歳馬決定戦に挑みます。
2011年には、ハットトリック産駒でフランス生まれのダビルシム(アルカナ・オーガスト1歳セール出身)がこのレースに優勝。2013年には、アメリカ生まれのノーネイネヴァーが制しました(2頭はその後種牡馬となっています)。
日本馬による快挙
ドーヴィル競馬場では、長年にわたり、日本の馬たちがフランス・イギリス・アイルランド「軍団」に果敢に挑戦してきました。
1998年のG1モーリスドゲスト賞で、シーキングザパールが、レコードとなる1分14秒70で、日本調教馬初となる海外G1制覇を果たしたことや、その翌週にタイキシャトルがG1ジャックルマロワ賞を制したことは、日本の競馬ファンの皆様にとって忘れられない思い出になっているはずです。