2歳から活躍している完成度の高いデルマルーヴル(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和
レパードSのポイントは、臨戦過程と新潟コースの特徴への対応です。
3歳のダートは、1勝クラスを勝ってしまうとオープンクラス。古馬混合戦になってから期間が短いので、このレースにも多くの2勝クラスの馬が出走してきます。そんな中で、このレースで多く結果を出しているのは、既にオープンクラス(地方交流重賞含む)で結果を出している馬や、1800m以上の2勝クラスを勝っている馬。その理由はハッキリしていて、確実に出走できるからです。結果を出している力のある馬が、除外の心配なく目標のレースに調整できるのですから当然の結果とも言えます。
今年は、7頭が賞金上位で出走が可能。その中でも注目は、ジャパンダートダービー(以降、JDD)の2着馬デルマルーヴルになると思います。前走JDD組は、芝実績馬でなければオープン特別で勝っているか、ユニコーンS・地方交流重賞で2着以上の実績がある馬。3歳トップクラスの集まったJDDで負けていることを、気にする必要はありません。近5年だけでも、
17年 1着ローズプリンスダム (前走JDD8着)
16年 2着ケイティブレイブ (前走JDD2着)
15年 1着クロスクリーガー (前走JDD2着)
14年 3着ランウェイワルツ (前走JDD5着)
が、前走JDDで完敗しても、相手が楽になるので好走しています。
ただ、気になる材料もあります。それは、デルマルーヴルが2歳戦から結果を出しているという点です。私のダートの持論で『2歳は完成度、3歳は素質。』というものがあります。ダートで2歳地方交流重賞から結果を出している馬は、完成度の高い馬。3歳になると、素質のある馬が成長してくることで苦戦するのが普通です。
このレースでも、エピカリス、レガーロ、ケイアイレオーネなど2歳地方交流重賞で結果を出していた馬は、JDDやUAEダービーで好走していてもレパードSでは3着まで。素質がある馬の成長に、完成度で対応できなくなっています。デルマルーヴルも、2歳から活躍している完成度の高い馬なので、素質面での伸びしろが課題になります。その伸びしろがJDDの好走で出たという見方もできますが、今年のレースレベルは低いので人気ほどの信頼度はないと考えています。
次に重要なのは、新潟コースの特徴への対応。新潟コースは、コーナー角度がきついので、一旦コーナーでスピードを緩めて直線に入ってから再加速する必要があります。それに対応する瞬発力が重要です(瞬発力は、上がりの速さではなく、通常のスピードからトップスピードに乗るまでの早さ)。詳細は各馬のレースを見て判断しますが、簡単に言うと後半ペースが流れるローカルの小回りや中山より、少しコーナーで緩みやすい中京や東京での好走実績の方が信頼できます。
この2点を重視して、狙う馬を4〜5頭まで絞ります。ウマい馬券では、全馬の評価を含めての最終結論を出すのでお楽しみにしてください。
■プロフィール
nige(にげ)
SEの仕事を辞して、2014年より「ダート馬券師兼馬券ヘルパー」として活動中。地方競馬を含めてダート競馬全般を得意としており、的確な分析には定評がある。過去の実績から、コース形態・馬場・展開・力関係など総合的に判断して、レース条件に合う適正な馬を選択するシンプルなスタイル。元サラリーマンなだけに、無理な穴狙いはせず、現実的に買えるように点数が少なることを意識して買い目を提供。ブログ「スマートボーイのように逃げたい…」随時更新中。