▲「行くなら骨を埋めるくらいの覚悟で」強い決意を語る富田騎手 (C)netkeiba.com
デビュー3年目の富田暁騎手、長期海外遠征が決定しました。“海外”はデビュー1年目から視野に入れていたという富田騎手。真っ先に遠征先に考えたのはアメリカ。着々と準備を進めてきましたが、ビザ取得が思った以上に難航。時間を無駄にするまいと、目線を変えてまずはオーストラリアでの武者修行を決意しました。出発は8月上旬。今の率直な気持ちを伺いました。
(取材・文=不破由妃子)
「不自由を常と思えば不足なし」
──遠征期間については未定ということですが、「なるべく長期で」という希望はどんな思いからですか?
富田 少し行ったくらいでは、意味がないかなという思いがありまして。どうせ行くんだったら長期で行って、その間に英語も覚えたいですし、技術的な面でも腰を据えて取り組みたい。
それこそ向こうでジョッキーとしてやっていけるくらい、もっと極端に言えば、骨を埋めるくらいの覚悟で行かないと変われないんじゃないかと思ったんです。
それに、できればオーストラリアだけではなく、ほかの国の競馬も見てみたいという気持ちもあります。とりあえず、半年後に免許更新の手続きで帰国するので、遠征期間については、そのときに改めて木原先生や周りの方と相談したいなと思ってます。
──相当な覚悟のもとに遠征されるんですね。その覚悟を聞いて、以前に伺った富田騎手の座右の銘を思い出しました。
富田 「不自由を常と思えば不足なし」、ですね。
──はい。海外では、「レースについての相談はできても、メンタル面のフォローは誰もしてくれない」と聞いたことがあるので、その言葉に込められた精神が生きてきそうです。
富田 間違いなく支えになってくれると思います。まさにこのときのための言葉だなと本当に思いますね。