昨年はジェネラーレウーノが離れた2番手から先頭に立つと、後続に並ばせることなく完勝(撮影:下野雄規)
「ウマい馬券」で4年連続プラス収支(回収率100%超)を叩き出す馬場虎太郎氏が、トラックバイアス(=馬場の偏り)をもとに馬場を分析。その結果をベースに週末のレース傾向を展望し、主に日曜メインレースの「注目の1頭」を紹介していく。トラックバイアスを加味した最終決断は
ウマい馬券にて公開予定。
先週に引き続き「軽い馬場」が予想される
開幕週だった先週の中山芝は週中の降雨がなかった。このように「乾いた馬場」の場合、週末には散水を行うのがJRAの馬場方針と見ている。
ところが、先週末は台風の予報。散水をあまり行えなかったようだ。気温も高かったために超高速馬場になってしまった。
先週のコラムでは、中京記念の組の人気馬は「重い馬場」での好走だったため危険であることを指摘。実際、京成杯AHで1、2人気に支持された中京記念組は馬券圏外になった。
今週は、先週よりも散水などで馬場を「重く作りたい」のではないだろうか。それでも「軽い馬場」になると私は見ている。
まずは、過去4年のセントライト記念の馬場を振り返る。
過去4年、セントライト記念のトラックバイアスは
2015年 超内有利・前有利・標準
2016年 なし・標準
2017年 前有利・稍軽い
2018年 超差し有利・標準
今年は「軽い馬場」で行われた2017年以上に「軽い馬場」で行われることも予想される。
2017年は「前有利」のトラックバイアスであったが33秒前半の「速い上がり」を使うことが要求された。
先行馬に33秒前半の脚を使える馬がいなかったために、結果「軽い馬場」でもっとも速い上がりを使えたミッキースワローが優勝。
今年も「軽い馬場」で、33秒前半の脚を使える馬を狙う。特に夏のローカルは「重い馬場」が多かった。力を発揮できなかった「軽い馬場」を得意な馬の巻き返しを狙う。
「速い上がり」を要する馬場での推奨馬は?
夏の福島で行われたラジオNIKKEI賞で5着だったアドマイヤスコール。当日は雨により非常に「重い馬場」で、先行した馬、内を通る馬に厳しい「外」の「差し」有利な状況だった。
アドマイヤスコールは大外枠にもかかわらず、わざわざ2コーナー地点では内ラチ沿いを追走した。この馬は「軽い馬場」巧者なので、特に馬場が重い内を追走しては力を発揮できない。
ここまで7戦のキャリアで、馬場コンディション「軽い〜稍軽い」に出走したのは未勝利戦、東スポ杯、セントポーリア賞の3戦。
未勝利戦は素質馬ソルドラードよりも速い「33秒前半」の上がりを使い勝利。
「軽い馬場」巧者のアドマイヤスコールが巻き返しを狙う(撮影:下野雄規)
東スポ杯はトラックバイアス「超内有利」の馬場。外枠から終始外を通るトラックバイアスの不利で敗れた。
セントポーリア賞も「先行有利」のトラックバイアスながら、差しの競馬で33秒前半の脚を使った。
「33秒前半」の上がりが要求される馬場では巻き返すタイプだ。