●シャイニーズラン(牡 栗東・森田直行 父キンシャサノキセキ、母カストリア)
阪神C(GII)と小倉2歳S(GIII)を勝ったシュウジの全弟で、ツルマルレオン(13年北九州記念-GIII/父ハーツクライ)の半弟でもある。母カストリアはアメリカで6戦未勝利ながら繁殖牝馬として成功した。KingmamboとSilver Hawkを近い世代に持つパターンは、さほどポピュラーとはいえない組み合わせにもかかわらず活躍馬が目立ち、メイショウマンボ、トウカイトリック、ヤマカツエース、ミュゼエイリアン、レオパステル、カウアイレーンなどが出ている。このあたりがカストリアの優れた繁殖能力の鍵かもしれない。
父キンシャサノキセキは、His MajestyのクロスまたはGraustarkとの全兄弟クロスを持つ配合が成功している。本馬はHis Majesty=Graustark 4×6という全兄弟クロスを持っている。全兄シュウジと同様の活躍を期待したい。
●タッチザモーメント(牝 栗東・高野友和 父キングカメハメハ、母タッチザピーク)
母タッチザピークは新馬-紅梅S(OP)を連勝したスピード馬で、タッチミーノット(13年中山金杯-GIII)の4分の3姉でもある。繁殖成績は上々。これまでにデビューした4頭は、ピークトラム(16年中京記念-GIII・2着/父チチカステナンゴ)、タッチザターゲット(13年ユニコーンS-GIII・5着/父クロフネ)、セネッティ(現4勝/父ワークフォース)、ベストタッチダウン(現2勝/父タートルボウル)など、すべて2勝以上を挙げている。
重要なのは交配した種牡馬がクロフネを除いてトップクラスではないこと。今年の2歳牝馬は、父がキングカメハメハなので注目したい。「キンカメ×スペシャルウィーク」はリオンディーズ(15年朝日杯FS-GI)、タガノグランパ(14年ファルコンS-GIII)などと同じ。芝・ダート兼用のマイラーだろう。
●ツキマデトドケ(牡 美浦・田島俊明 父ダンカーク、母ケイティーズジェム)
ヴィッテルスバッハ(19年ニュージーランドT-GII・3着/父ルーラーシップ)の半弟。母ケイティーズジェムはファンタジーS(GIII)5着馬で、2代母ケイティーズファーストはヒシアマゾン(エリザベス女王杯-GI、阪神3歳牝馬S-GIなど重賞9勝)、ヒシナイル(96年フェアリーS-GIII)の半姉にあたる良血。近親にはアドマイヤムーン、スリープレスナイトなど多くの活躍馬がいる。
本馬の父はダンカーク。父ダンカークは、Unbridled's SongとAlydarという、母の父ディープインパクトと相性のいい血を抱えているので配合的に注目したい。芝・ダート兼用のマイラー。
●バインドウィード(牝 美浦・宗像義忠 父キズナ、母カメリアローズ)
半兄ダローネガ(父ダイワメジャー)はデイリー杯2歳S(GII)2着、小倉大賞典(GIII)と中京記念(GIII)で3着となるなど、重賞で再三好走した。同じく半兄ディキシーナイト(父ダイワメジャー)はスプリングS(GII)3着馬。本馬の父はキズナ。初年度産駒となる現2歳世代が好調で、2歳種牡馬ランキングではディープインパクトを抑えてトップに立っている。
母の父ホワイトマズルはダンシングブレーヴの代表産駒の1頭。父方のAlzaoと母方のダンシングブレーヴは相似な血なので、あえて表現すればAlzao≒ホワイトマズル4×3。芝向きのマイラーだろう。
●モーソンピーク(牡 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母モシーン)
関屋記念(GIII)とフェアリーS(GIII)を勝ったプリモシーンの全弟。母モシーンはオーストラリアンギニーズ(豪G1・芝1600m)、VRCオークス(豪G1・芝2500m)など4つのG1を含めて重賞を6勝した名牝。母の父Fastnet Rockは豪リーディングサイアーに2回輝いた名種牡馬で、デインヒル系のなかでは日本適性の高い種牡馬でもある。母はNorthern Dancer 4・5×4で、Danzig、Nureyev、Nijinskyを経由している良形。
2代母の父ストラヴィンスキーは「Nureyev×Blushing Groom×Mr.Prospector」で、ヴィルシーナとヴィブロスの母ハルーワスウィート、ミッキークイーンの母ミュージカルウェイと配合構成がよく似ている。芝向きの中距離タイプ。