●ショウナンハリマオ(牡 美浦・国枝栄 父キズナ、母ショウナンマライア)
ショウナンワダチ(14年ニュージーランドトロフィー-GII・2着)、ショウナンバーキン(3勝クラス/父フジキセキ)、ショウナンサリュー(2勝クラス/父キングカメハメハ)の下。
父キズナは現2歳世代が初年度産駒で、11月第1週終了時点で収得賞金が3億円を超えた。これは歴代の新種牡馬のなかで最速記録。残り2ヵ月弱でどこまで賞金を上積みできるか興味深い。
本馬と同じ「キズナ×クロフネ」はアイビーS(L)2着のクリスティ、アルテミスS(GIII)7着のショウナンハレルヤが出ている。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●トーホウラデン(牡 栗東・高橋亮 父ハービンジャー、母トーホウアマポーラ)
母トーホウアマポーラは現役時代にCBC賞(GIII)を勝ったスプリンターで、半弟に菊花賞(GI)をレコード勝ちしたトーホウジャッカルがいる。トーホウアマポーラはミルレーサー≒Gana Facil 2×4という組み合わせのクロスを持っている。
Unbridled's Song、Nureyevと母方に入って成功している血を抱えているので繁殖牝馬としての期待が大きい。母方にフジキセキとMr.Prospectorを併せ持つハービンジャー産駒なのでブラストワンピースと似ており、サンデーサイレンスとNureyevを併せ持つのでペルシアンナイトやディアドラとも似ている。芝向きのマイラー。
●ノルトシュライフェ(牡 栗東・西園正都 父リアルインパクト、母デビルズコーナー)
母は全3勝を芝1000〜1200mで挙げたスプリンター。4歳春に出走した鏑矢特別(1000万下・芝1000m)は3馬身半差の圧勝だった。母の父Songandaprayerは現役時代にファウンテンオブユースS(米G1・ダ8.5f)を勝ち、ケンタッキーダービーでは半マイル通過44秒8というレース史上最速のペース(当時)で逃げた快速馬。
母が産んだ4頭の産駒は現時点ですべて未勝利だが、Dr.FagerとIn Realityのニックスから成るUnbridledを抱えているので、In Realityを持つリアルインパクトとの配合はニックスを継続することになり悪くない。
父の母トキオリアリティーはEight Thirty≒War Relic 4×5・5が核心となっているので、上記のニックスの継続は好ましい(In Reality は War Relic 3×3)。
また、ディープインパクトとUnbridled's Songの関係も好結果を残している。マイル以下で手堅く走ってきそうだ。
●ブライドグルーム(牡 美浦・堀宣行 父ロードカナロア、母フーラブライド)
母フーラブライドはダートに強いゴールドアリュール産駒ながら中山牝馬S(GIII)、愛知杯(GIII)などを制した。本馬が初仔。
父ロードカナロアはアーモンドアイ、サートゥルナーリアと、GIを制したスタミナ型の名牝から大物を出している。フーラブライドはGIこそ勝っていないものの、牡馬に混じって日経新春杯(GII)で2着、3着となった経験があり、エリザベス女王杯(GI)では4着。
本馬は母方にサンデーサイレンスが入り、自身はNureyevクロスを持つなど、父の成功パターンに合致している。大仕事をする可能性も十分考えられる。芝向きの中距離タイプ。
●ブルームラッシュ(牡 美浦・尾関知人 父ディープインパクト、母ブルーミングアレー)
ランブリングアレー(19年フラワーC-GIII・3着)の全弟。母ブルーミングアレーはトーセンラーとスピルバーグ(いずれもGIを勝ち種牡馬となる)の半姉、という良血で、牝馬が牡馬ほど走らない傾向が見られるシンボリクリスエス産駒にあってフローラS(GII)3着という成績を残した。
本馬はディープインパクト産駒なので、トーセンラーとスピルバーグの4分の3同血(父が同じで母同士が親子)となる。「ディープインパクト×シンボリクリスエス」はアドミラブル(17年青葉賞-GII、17年日本ダービー-GI・3着)と同じで、連対率が30%を超えているようにコンスタントに走っている。芝中距離で姉を超える活躍を期待したい。