ニュージーランドで武者修行中の小崎綾也騎手が、11月9日(土)に現地レース3鞍騎乗。そのうち1つは、騎手人生初の「競走不成立」という驚きの結果に。さらに、その後のレースでは、騎乗停止処分を受けてしまいました。様々な出来事があった1日を、小崎騎手自身が振り返ります。
11月9日(土)
Te Rapa競馬場
良馬場good3
3R
Gallagher
Jacob McKay厩舎
一般戦1400m
12頭立て10着
4R
競走不成立
6R
Matuzalem
Peter McKay厩舎
一般戦1400m
13頭立て6着
直線に入ると係員が総出で“止まれ”の合図を…
11/9土曜はTe Rapa競馬場で騎乗させていただきました。Te Rapa競馬場は左回り、直線420mのコースで、騎乗するのは2度目です。
当初は5鞍騎乗予定でしたが、前日に1頭、当日に1頭スクラッチがあり、結局この日は3頭に騎乗しました。スクラッチしたうちの1頭は、前走も乗せていただいて3着だった馬だったので、今回は勝つチャンスが大きいと思っていただけに残念でした。
スクラッチの理由は「良馬場で馬場が硬すぎる」ため。こちらでは馬場が悪いから出走取消しするのではなく、その馬にとって硬い馬場が合わないのであれば、良馬場だから取り消すこともあるみたいですね。
取り消した馬以外の3頭は、どれも騎乗した事がある馬でした。
そのうちの1頭、Mighty Connorは前走も騎乗させていただき、同じTe Rapa競馬場の同じ2100mという距離で3着になった馬。今回は大外枠でしたが、引き続きチャンスをいただき楽しみにしていました。
2100mなので、スタート地点は正面から。1コーナーまで距離はあるものの、15頭立ての大外枠ということもあり、1コーナーまでにどれぐらい中団の内に潜り込めるかが鍵でした。
1コーナーまでに許容範囲のポジションは取れたかなと思っていたのですが、その直後に前方の内目で1頭が落馬してしまうアクシデントが…。
それもあって隊列は縦長で乱れ、カラ馬は中団ぐらいを追走していました。みんなが注意しながら1周回ってきたのは良かったのですが、直線に入ると係員が総出で“止まれ”の合図を。
1コーナーで落馬したジョッキーが動けず、ゴール付近が危険と判断されたためで、結局レース自体が中止に。レースそのものが無くなり、初めて“競走不成立”を経験しました。
アクシデントの後の6Rには、騎乗したことのあるMatuzalemでレースに挑みました。これまで前に行く競馬をしていた馬ですが、前走は後方から良い伸びをして4着になったこともあり、今回の指示は「前に行かず、折り合いを重視して終いを活かすこと」でした。
好スタートからリズム良く中団に構えられたのは良かったのですが、スタート後200m付近で外4頭目から3頭目にシフトする動作が内側(最内)の馬に対する斜行と捉えられ、レース後に裁決室へと呼ばれてしまいました。
日本とNZのルールの違いがあるのは分かっていますし、意識して気をつけなければいけないことも分かっていたはずなのですが…結局、騎乗停止の処分を受けてしまいました。
ルールの違いを理解した上でも、自分の中では正直、厳しい処分だなという印象です。アピールするという選択肢も考えたぐらいです…。
騎乗停止期間は1週間です。1週間までは開始時期を選ぶことができるので、11/17〜23での騎乗停止を選択しました。11/10〜16にかけて騎乗予定が控えているので、なんとか騎乗停止開始までに結果を出したいです。