■ジャパンカップ(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録16頭
★3行でわかる!ジャパンカップ 攻略の糸口1.近年は堅め。もっとも信頼できる指標は「前走人気」。2.馬も騎手も完全に西高東低。牝馬が鬼強いレース。3.5歳以下馬が圧倒的優勢。内枠有利かつ先行有利。データ特注推奨馬★現時点ではなし そろそろ来るだろう──とは思っていたが、今年はついに外国馬の参戦ゼロ! ジャパンカップではなく「チャンピオンズカップターフ」といった様相となってしまった。日本馬が手薄な今年ならば、外国馬が上位に食い込める可能性だって十分にあったと思われるだけに、惜しい。そして正直、寂しい。
そんなジャパンカップの特徴だが、近年は「堅い」というのが、その最たるものだろう。勝ち負けしているのは上位人気馬ばかりで、人気薄の激走はほぼゼロ。今年はかなりの混戦模様となりそうだが、例年の傾向通りならば、それでも堅く決まる可能性が高い。荒れそうで荒れないのが、今のジャパンカップだ。
それがよくわかるのが、前走人気別での成績。今回は、前走が「天皇賞・秋」だった馬とそれ以外を分けて、データ集計を行っている。ジャパンカップは前走人気が今回の結果に直結する傾向が強いレースで、前走4番人気以下から巻き返しているのは、前走が天皇賞・秋だった馬だけ。それ以外のレースで4番人気以下だった馬は、1頭たりとも馬券に絡めていない。今年もスパッと「消し」勝負といきたい。
逆に、前走が天皇賞・秋だった組は、今年は「4番人気以下馬」を積極的に狙っていきたいところ。なぜなら、天皇賞・秋の1番人気馬であるアーモンドアイが出走しないからである。そのまま買っても単勝適正回収値96.2、複勝回収値111と、爆発力は文句なし。スワーヴリチャード、マカヒキ、ユーキャンスマイル、ワグネリアンの4頭のうち、強力な買い材料のある馬を積極的に狙っていくのをオススメする。
あとは、馬も騎手も完全に「西高東低」で、ホームであるはずの関東馬や関東所属騎手が大不振であること。牝馬が牡馬を圧倒する強さを見せていること。5歳以下馬と6歳以上馬で極端なまでの成績差が出ていること、内枠有利&先行有利の傾向が強いことなども、重視すべきレース傾向といえるだろう。
【コース総論】東京芝2400m Cコース使用
・コースの要所!
★1番人気は高信頼度も人気薄の激走率もけっこう高め。どこからでも入れる。
★基本的に外よりも内のほうがベター。外枠はやや評価を割り引く必要アリ。
★先行勢と中団待機組が互角に張り合う結果も、クラスが上がると差し優勢。
ダービー、オークス、そしてこのジャパンカップと、最高峰のレースが3つも行われる東京芝2400m。その舞台にふさわしい公平なコース──であってほしいところだが、近年のデータからは、かなり大きな「偏り」が感じられる。とはいえ、幅員に余裕があってコーナーも緩く、さらに直線も十分に長いという、実力馬が能力をキッチリ発揮しやすいコースであるのは間違いなしだ。
まずは人気別だが、1番人気は信頼度だけでなく、回収値ベースの数値もかなりの高さで、かなり優秀な内容といえる。それ以外では、中穴である4〜6番人気も好内容。さらに、大穴である10〜12番人気も優秀だ。さすがに13番人気以下となると期待薄だが、ここを除けば入ろうと思えばどこからでも入れるコース。高配当もけっこう狙いやすい。
次に枠番だが、こちらは外枠である馬番13〜18番がイマイチな内容。対照的に、内枠である馬番1〜6番は高信頼度で、単勝適正回収値や複勝回収値も優秀だ。ギャップ値も加味して考えると、「外枠の評価を少し割り引く」のが適切なはず。たとえ人気馬でも、外枠を引いてしまった場合には少し評価を下げたいところである。
最後に脚質面。直線の長い東京芝だけに、イメージ的にはかなり差し優勢なのだが、実際は先行勢と中団待機組が互角に張り合っている。ただし、クラスが上がると道中のラップが厳しくなり、徐々に差し優勢へとシフト。最速上がり馬が好成績を残しているように、鋭い決め脚は大きな武器となる。「差し→差し」や「差し→先行」が、もっとも想定しやすい決着パターンだろう。
【レース総論】ジャパンカップ(G1) 過去10年
・レースの要所!
★近年は順当決着傾向がきわめて強い。極端な穴狙いは推奨できないレース。
★牝馬が猛烈に強いレース。馬と騎手の両方がいまだに「西高東低」の一戦。
★内枠の強さはかなり目立つ。脚質はコースデータよりも格段に先行勢優勢。
★5歳以下であるのはもはや必要条件。ローテは前走G1組を素直に信頼すべき。
レースの平均配当は、単勝611円、馬連2644円、3連複1万8950円と、いずれもかなり低めの水準。それもそのはずで、過去10年の勝ち馬はすべて5番人気以内、連対馬もオール7番人気以内と、順当決着傾向が非常に強いレースと化している。3着もほとんど紛れておらず、ふたケタ人気馬はトータル[0-0-2-78]と大不振。人気サイドからどう買って儲けるかという、馬券の買い方が問われるレースである。
枠番は、内枠である馬番1〜6番の好調ぶりが目立つ。コースデータでは「外枠やや不利」という結論だったが、レースデータでは「内枠が飛び抜けて有利」という結論となる。勝率、連対率、複勝率のいずれも圧倒的な高さで、回収値ベースの数値がギャップ値の高さも文句なし。「内枠かなり有利・外枠やや不利」くらいのカンジで捉えておくのをオススメしたい。
次に脚質面だが、こちらはコースデータとは大きく異なる結果が出ている。4コーナーを6番手以内で回った先行勢が、圧倒的なまでの強さを見せているのだ。中団からの差しもそれなりには届いているが、2〜3着に惜敗するケースのほうが多く、後方待機組となると信頼度はさらに大幅ダウン。最速上がり馬が1勝しかできていないことが、先行勢優勢をハッキリと物語っている。「前重視」の姿勢を推奨する。
重視したいのが年齢別での成績だ。勝ち負けになっているのは5歳以下馬だけで、6歳以上の高齢馬は3着にくるのが精一杯。5歳以下であるのは、ジャパンカップで好走するための必要条件といっても過言ではない。そして前走レース別では、前走が中央G1や海外遠征だった組が好成績。最強馬決定戦だけあって、前走レースの「格」がしっかり求められている印象を受ける。
最後に騎手関連だが、ここでは「関東所属騎手の弱さ」が浮き彫りとなっている。トータル[0-1-1-44]で複勝率わずか4.3%というていたらくで、最後に連対したのはもう10年前の話。このところ存在感を強めているマジックマン・横山典弘騎手であっても、ここはサクッと「消し」で勝負したほうが効率がよさそうだ。関西所属騎手、または外国人騎手が乗る馬で勝負すべき一戦といえる。
【血統総論】 血統面は、ディープインパクト産駒とルーラーシップ産駒をプラス評価の対象とした。今年の登録馬は血統が「ものすごく」偏っている上に、コース適性が低そうな血統の馬も見当たらないという、やや特殊なメンバー構成となっている。あくまで私見ではあるがブッチャケ、血統というファクター自体を軽視してしまっていいような気がする。
★特別登録馬 総論×各論 フルゲートは18頭だが、特別登録を行ったのは16頭。ラヴズオンリーユーの回避が発表されているので、実際は15頭以下となりそうだ。そして、ハッキリ言えば「うっすうす」のメンバー構成。ハイレベル戦だった天皇賞・秋やマイルCSとはうってかわって、ハンデG2と言われても納得できそうなほど小粒なメンツである。過去の傾向とはガラッと変わった結果が出ても不思議ではない。
とはいえ、データの裏付けがない馬を推奨するワケにはいかない。そうなると、現段階でのトップ評価は「内枠に入った場合の」
ワグネリアンだ。今年は勝てていないが、いずれもレース内容に見どころアリ。天皇賞・秋での5着も、不利な外枠だったことを考えると高く評価できる結果だ。問題はジョッキーで、現時点でも調整中。鞍上次第では、ここはかなり力を入れて買いたい。
二番手評価に
ユーキャンスマイル。新潟記念からという実績のないローテながら、前走の天皇賞・秋では4着に好走。上がりも最速と、本当に力をつけている。距離延長は何の問題もなく、相手関係は一気に楽になるここは、大いに注目したい一戦といえる。後方に置かれる脚質は割引だが、今の勢いはそれを補ってあまりあるほど魅力的。一気の末脚で突き抜けるシーンまで考えられそうだ。
三番手評価に
スワーヴリチャード、四番手評価に
カレンブーケドールと、ここまでが上位評価組。以下はレイデオロ、シュヴァルグラン、ムイトオブリガード、ダンビュライトという序列である。とはいえ、鞍上や枠番によって最終的な評価はここからかなり入れ替わるはず。例年よりは少しだけ「荒れる」方向を期待しつつ、最終的な買い目をしっかり考えたい。
■総論×各論・先々週の馬券回顧
なかなか美味しい配当である(*^ω^)ホクホク♪ 信頼度がメチャクチャ高い「内枠の人気馬」という条件に合致する02ラッキーライラック。さらに、内枠からスッと逃げられそうな06クロコスミア、「中枠の人気薄」という条件に合致する10フロンテアクイーンなどで勝負。こういう時に限って、弱気にボックスで勝負しているあたりが、拙者のダメなところでござる……ニンニン。
※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2009年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!