
▲世界の名手スミヨン騎手のインタビューを2週にわたってお届けします (C)netkeiba.com
10月19日(土)から来日中のC.スミヨン騎手のインタビューを、全2回でお届けします。前編は、見事な手綱で勝利に導いた、ラッキーライラックのエリザベス女王杯について。レース前に見ていた映像と実際に調教で跨った感覚に、ギャップを感じたと言います。そこからどのように“勝利”を手繰り寄せたのか? 次走の香港ヴァーズの手応え、さらにシュヴァルグランで挑む今週末のジャパンCについても、併せてお聞きしました。
(取材・文=不破由妃子)
本来はもう少し前で競馬をするつもりだった
──エリザベス女王杯優勝、おめでとうございます。惜敗が続いていたラッキーライラックを見事に勝利に導いたわけですが、同馬について戦前はどんなイメージを持っていましたか?
スミヨン 過去のレースのVTRを見たときは、伸びそうで伸びないというか、どうしても最後まで頑張れない、そんなイメージでした。
ただ、実際に調教で跨ってみるとすごくタッチがよくて、思ったよりも乗りやすかったですし、もうちょっと動けそうな印象で。だから、「レースで頑張れないのはなぜだろう、調教とレースでは違うのかな」と思いましたね。
──レースでは「もうちょっと動けそう」どころか、上がり32秒8の脚で弾かれたように伸びてきましたね。
スミヨン あそこまで伸びてくれるとは、僕自身も思わなかったです。ただ、オルフェーヴルの仔だということは知っていたので、オルフェーヴルの血が受け継がれているのであれば、むしろ前ではなく、中団から差す競馬ができるはずだと思っていました。