美浦の根本康広厩舎所属だったドリームドルチェ(浦和・小久保智厩舎)が南関東の一員になりました。初戦だった11月4日のJBCスプリントは8着でしたが、11月21日に川崎競馬場で行われた中原オープン(川崎・1600m)で優勝。自身にとっても2年1か月ぶりといううれしい瞬間でした。
移籍2戦目だった中原オープン。ドリームドルチェは本橋孝太騎手を背に2番手からの差し切り勝ちで、2年1か月ぶりのうれしい勝利を挙げました
中央時代は1200mのオープン戦を中心に走ってきた馬で、この距離で5勝を挙げてきました。若い頃は1800mを走ったこともあったようですが、1600mは自身にとって初チャレンジでの初勝利。
本橋孝太騎手を背に道中は2番手を進めていき、最後の直線で抜け出すと、力強く後続を引き離していく圧巻の走り。勝ちタイムは1600m1分40秒8(良)。
「むちゃくちゃいい馬ですよね。初距離だったので、距離さえ持てばきっと勝つだろうなと思ったくらいでした。背中とか走りのパワーや迫力が、オープンだなぁとすごく感じさせてくれる馬です。スタートもすごく速くて、すぐにあの位置につけられました。結構騙し騙しでも行きたがっていましたが、今日は楽勝ですね」(本橋騎手)。
担当は小久保調教師のお兄さんの小久保厩務員です。ドリームドルチェのお父さんはマイネルラヴですが、小久保厩務員はかつて同じ父を持つトーセンラヴを手掛けたこともありました。
「同じお父さんだし、思い入れは出てきますよね。ラヴはものすごい気性のきつい馬でしたが、ドリームドルチェは大人しいです。今日はナイター競馬も初めてだったので、眠たかったのか、パドックではあくびをしていました(笑)。タフな馬で走った後もすぐに息が整うので、心肺機能はすごいですね」(小久保厩務員)。
厩舎にいる時のドリームドルチェ。カイバ桶からお顔を上げることもなく、モリモリと食べ続けていました
レース直後に小久保調教師は、この後は12月4日の勝島王冠(大井・1800m)も選択肢のひとつにあることを言っていました。
「状態は初戦の時とは大きく変わりませんが、G1じゃないので逆に調整は緩めました。それでもこれだけ動くので、能力はありますよね。今日は余裕の走りだったので、勝島王冠でもいいのかなとは思っていますが、もうちょっと折り合いがつけられればいいので、課題はそこだけですね。仕上げなどは企業秘密です(笑)」(小久保調教師)。
小久保厩舎と言えば、つい先日もJBCスプリントで中央の卒業生ブルドッグボスが優勝し、浦和勢初のJBC競走の称号を手にしたばかりです。ドリームドルチェもこれからどんな競走生活を送っていくことになるのでしょうか。
なお、11月28日の浦和記念(浦和・2000m)には、一昨年の川崎記念や去年の浦和記念を勝ってきたオールブラッシュ(栗東・村山明厩舎→大井・藤田輝信厩舎)と、一昨年の浦和記念を制しているマイネルバサラ(美浦・松山将樹厩舎→浦和・小久保智厩舎)が、移籍初戦を迎える予定です。これから新天地でどんな走りを見せていくのかも目が離せません。
次回は12月9日(月)にお会いしましょう!