ニューヨークでも「競馬と鉄道」の繋がりを感じる
ジャパンC直前の18日から22日まで、ニューヨークに行ってきました。
一番の目的は、アケダクト競馬場の最寄駅、地下鉄A線(デューク・エリントンの名曲『A列車で行こう』のAはこれを指します)の「Aqueduct Racetrack駅」の写真を撮ること。「たったそれだけのために?」なんて言わないでください。それには深いワケがあったんです。
拙著「競馬と鉄道」では、海外の競馬場駅もいくつか取り上げました。ニューヨークのベルモントとアケダクトの両競馬場にはそれぞれ競馬場駅があり、ともに地図を交えてご紹介しています。
しかし、「Belmont Racetrack駅」の写真は載せたのですが、残念ながら「Aqueduct」のほうは載せられませんでした。
というのも、同競馬場を訪れたのは今から31年も前の1988年。それ以来ご無沙汰していたので、本に掲載できるような写真が見当たらなかったのです。
すでに本は上梓したものの、直近の「Aqueduct」の写真がないのが何とも歯がゆくて、その撮影と競馬観戦を兼ねて行ってきました。おかげでひとまずスッキリした次第です。
さらに今回は、旅立つ直前になってもう1つ、大きな目的が見つかりました。それは「Neir's Tavern」という店でランチを食べること、でした。
現地に行ってどこで何を食べようか、あれこれ検索しているうちに発見したこの店。1829年の創業で、建物や店名は何度かリニューアルされているそうですが、その時から同じ場所で営業しています。
でも、それだけだったらわざわざ足を運ぼうという動機にはなりません。「行ってみたい」と思ったのは、1821年から1870年代にかけて、その店のすぐ前に「Union Racetrack」という競馬場があって、店が競馬関係者やファンの“溜り場”になっていた、ということがわかったから。しかも、今の店のロゴマークには、コースのような横長の楕円形と、騎手を背にした馬の姿が描かれているのです。
この店以外に、そこに競馬場があったことを示すものは何ひとつ残っていません。ただ、店内には、同競馬場で行われた有名なマッチレースに関する説明書きや、繋駕競走の様子を描いた絵が飾ってあり、その昔の面影を感じさせてくれます。
そうそう、肝心のランチも安くて美味。私がハンバーガー、妻がグリルチキンバーガー(ともに飲み物付きで$7.50)をオーダーしてシェアしましたが、どちらもいい味でした。これは自信を持ってオススメできます。
ちなみにこの店では、「グッドフェローズ」という映画のロケも行われたとのこと。私はそれを観ていませんが、ひょっとしたら「あぁ、あの店か」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。アケダクト競馬場からそう遠くないところにありますから、同競馬場を訪れる際は立ち寄ってみてはいかがでしょう?