●エールプレジール(牡 美浦・小笠倫弘 父オルフェーヴル、母アースリヴィング)
母アースリヴィングは現役時代、重賞こそ勝てなかったものの、兵庫ジュニアグランプリ(JpnII・ダ1400m)で2着となり、3歳春にドバイ遠征を敢行してUAE1000ギニーとUAEオークスで連続2着と健闘した。産駒にもパワーを伝え、初仔のシネマソングス(父ハーツクライ)は現在ダートで2勝を挙げている。
本馬の父はオルフェーヴル。産駒は現在重賞を7勝し、そのすべてが芝でのものだが、連対率ベースで見ると芝よりもダートの成績がいい。本馬は母から強力なダート適性を受け継いでいるので、おそらくダート中距離がベストだろう。
●サラマンドラ(牝 美浦・古賀慎明 父パイロ、母ピクシープリンセス)
2代母オータムメロディーは「Kingmambo×Sadler's Wells」なのでエルコンドルパサーと同じ組み合わせで、Nureyev≒Sadler's Wells 3×2という大胆な4分の3同血クロスを持っている。
その影響を受けた母ピクシープリンセスは、スタミナとパワーを武器とし、1000万下(現2勝クラス)を勝ち上がってすぐ格上挑戦して臨んだ重馬場のエリザベス女王杯(GI)で3着に食い込んだ。これまでに産んだ2頭はいずれも未勝利。
本馬は生産者であるダーレーの所有種牡馬パイロを交配して誕生した。ダート向きのマイラーだろう。
●ジュンスターリッチ(牝 美浦・畠山吉宏 父アイルハヴアナザー、母アーバンレジェンド)
母アーバンレジェンドは現役時代ダートの中距離を得意とし、1600万下(現3勝クラス)まで出世した。そのきょうだいにエンプレス杯(JpnII)をはじめダート重賞を勝ちまくったミラクルレジェンド(父フジキセキ)、東京大賞典(GI)など4つの重賞を制覇したローマンレジェンド(父スペシャルウィーク)がいる。本馬は初仔。
父アイルハヴアナザーは現役時代にケンタッキーダービー(米G1)とプリークネスS(米G1)の米二冠を制覇した大物で、種牡馬としてはアナザートゥルース(19年アンタレスS-GIII)、マイネルサーパス(19年ラジオNIKKEI賞-GIII・2着)、ウインジェルベーラ(17年函館2歳S-GIII・2着)などを出している。
全勝利数の約75%がダートなので、パワフルな母方の特徴を考えると、本馬はダート向きの中距離タイプとなる可能性が高い。
●タツハグンセイ(牡 栗東・鮫島一歩 父リアルインパクト、母ニシノプルメリア)
小倉記念(GIII)と新潟記念(GIII)を勝ったタツゴウゲキ(父マーベラスサンデー)の半弟。母ニシノプルメリアは未勝利馬だが、「Singspiel×Diesis」という組み合わせの持込馬で、2代母ニシノムーンライトは現役時代にクイーンS(GIII)4着、京都牝馬S(GIII)5着などの成績を残した。
父リアルインパクトは今年の新種牡馬で、産駒は現時点で11勝を挙げ、ラウダシオン(19年小倉2歳S-GIII・3着)、アルムブラスト(19年カンナS-OP)などを出している。種付け料が80万円と安かったことを考えれば大健闘だ。
母方の血はヨーロッパ色が強く、これにアメリカ血統をベースとするスピード型種牡馬リアルインパクトを交配した本馬は、芝1400〜1600mで本領を発揮しそうだ。
●レイパパレ(牝 栗東・高野友和 父ディープインパクト、母シェルズレイ)
シャイニングレイ(14年ホープフルS-GII、17年CBC賞-GIII)、ククイナッツレイ(12年京都新聞杯-GII・4着)の全妹。母シェルズレイは現役時代にローズS(GII)2着、チューリップ賞(GIII)2着などの成績を残した。産駒成績は優秀で、これまでに産んだ7頭のうち6頭が勝ち上がっている。
2代母オイスターチケットはテスコボーイ4×3というスピードタイプで、ファンタジーS(GIII)で3着と健闘した。この部分のスピードがファミリーを底上げし、コンスタントな活躍が可能となっていると思われる。
「ディープインパクト×クロフネ」は他にステファノス(14年富士S-GIII)、カワキタエンカ(18年中山牝馬S-GIII)などの活躍馬が出ている。馬体やサイズに問題がなければ重賞級の活躍も望める。