いつもより前目のポジションの理由

――前走のチャンピオンズCは惜しい2着でした。振り返っていかがでしたか？

平田修調教師(以下、平田師)　調教助手と一緒にレースを見ていたんですが、逆光でハッキリとは見えなくて。インティが逃げ切るなぁっていうところを差してきたので「これ勝つわ！」と思ったら、内の見えにくいところにクリソベリルがいました。

　ゴールドドリームって粗削りな部分のある馬なんですが、ちゃんとゲートも出たし、好位につけてインティを見ながらっていうホンマに完璧な競馬をして負けたので、仕方ないですね。


――これまでより前目でレースをしましたが、作戦だったのですか？

平田師　そういう話はルメール(騎手)とはあんまりしたことがないんですけど、ゲートが良くなってきて、南部杯の時でも出過ぎてハミを取ってしまったって言っていました。そんなことができるようになったから、こういう競馬もできるようになったんでしょうね。

――CWでの1週前追い切り、坂路での当週追い切りと速いタイムを出していて、「かなり攻めの姿勢だな」と感じました。

平田師　前走の南部杯のレース内容や、昨年はチャンピオンズCを右肩の筋肉痛で回避したこともあって、まだまだ何年も現役を続けるって馬じゃないので今回は意識していつも以上に強めにしました。

　1週前追い切りはたまたまケイアイノーテックもレース予定だったので、併せました。ケイアイノーテックに跨る藤懸(騎手)に「あんまり時計が出たら困るから加減せえよ」って言っていたんですけど、ゴールドドリームが離して行って。

　そしたらたまたま前に幸騎手がいて、図らずも2段併せみたいになって、あんな時計が出ました。見ている方もビックリしました。やっぱりすごいなって改めて思いましたね。

――楽に81.1-11.8秒が出ているように見えました。

平田師　そんな無理していませんでしたからね。当該週の追い切りは、(藤懸)貴志が乗ったんですけど、いつも貴志には微妙なことを言うんですよ。「時計はそんなに出したくないけど、そんな軽くても困るから」って。そんなややこしいことを言って乗れるのが貴志くらいのもんやから(笑)。