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年末年始の新馬戦は”伝説”になるか(津田照之)

  • 2019年12月24日(火) 18時00分

幻となった新馬戦、除外馬たちは...


 アドマイヤベネラ(牡、父ハーツクライ、母ライフフォーセール、友道)は12月21日、阪神、芝1800メートルの新馬戦に出馬投票したものの、残念ながら3頭の除外に引っ掛かった。結局、デビューは年明けに延期。1月5日、京都、芝1800メートル戦に出走することになりそう。ただ、動きの良さは目を引くものがある。

 12月11日の追い切りではワールドプレミア(菊花賞馬、有馬記念3着)、ラインベック(中京2歳S勝ち、今週のホープフルSに出走)を相手に併せ馬を敢行。3頭併せの真ん中で終始、手応えで上回った。半姉にダノンファンタジー(阪神JF勝ち)を持つ良血馬。馬体も480キロほどあって見栄えがする。いずれにしろ、かなりの器であることは確か。

 先ほども触れたが、12月21日、阪神、芝1800メートルの新馬戦は3頭の除外馬が出た。そのうちのもう一頭がルビーカサブランカ(牝、父キングカメハメハ、母ムードインディゴ、須貝)。ご存じ、ユーキャンスマイルの全妹にあたる馬で、以前から注目を集めている。実際、調教でもコース、坂路を併用して好時計をマーク。

「一旦、ゲート試験に受かった後、放牧へ。いい感じで成長して、帰厩後も順調に乗り込んでいる。気性が素直で動きも素軽い」と須貝調教師も好評価。馬体重は450キロほど。こちらもデビューはアドマイヤベネラと同様、1月5日、京都、芝1800メートル戦になりそう。除外になったぶん、さらに乗り込み量は豊富になり、万全の状態で初戦を迎えられそう。

 そして、その阪神新馬戦のもう一頭の除外馬がプラトン(牡、父ディープインパクト、母ロベルタ、音無)。そう、私が赤本で「イチオシ」に挙げた馬である。過去、この馬の全兄にあたるフランツ、フランクリンを指名したが、奥手過ぎたり、喉の疾患があったりして、現状、力を発揮しきれないでいる。それでも「この血筋から活躍馬が出てほしい」との思いから、今年も全弟にあたるプラトンをチョイスした。

 これまでの経緯を説明すると、9月の阪神デビューを予定していたものの、態勢が整わず、一旦、放牧へ。その後、再入厩して、ここまで順調にきた。「まだ非力なぶん、坂路では動けないけど、本馬場(芝)ではいい動きを見せている。いわゆる芝向きの軽いフットワーク」とは生野助手。

 馬体重は460キロほどでコンパクトにまとまっている。そして注目のデビューは12月28日、阪神、芝2000メートル、松若騎手になりそうで、この馬よりも仕上がりが進んでいるアドマイヤベネラ、ルビーカサブランカと戦わなくなったことはプラスだと考えたい。まずは1勝を期待。

 よく同じ新馬戦を走った馬の中から、その後、活躍馬が多数出て、「伝説の新馬戦」と表現されたりするが、12月21日、阪神、芝1800メートルは3頭の除外馬がいずれも素質馬。この馬たちの活躍次第では同レースは違う意味で「伝説の新馬戦」になるかも。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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