▲2019年度年度代表馬は有馬記念を制したリスグラシューか…!? (撮影:下野雄規)
1月上旬に発表される2019年度の年度代表馬。JRAの全開催日程を終えた今、宝塚記念、有馬記念、豪GIのコックスプレートを制したリスグラシューが選ばれる公算が大です。
年度代表馬選考において今後課題となりそうなのが、リスグラシューも制している海外GIの価値の見積もり方。ノーザンファーム席巻の時代背景も交えながら、年度代表馬にまつわるテーマを須田鷹雄さんが説きます。
価値の算定が難しい海外GIの場合…
この原稿はもともと「有馬記念の結果を踏まえて2019年度の年度代表馬をいち早く考察するコラム」という趣旨だったのだが、完全に「まあリスグラシューでしょうね」という状況になったので、有馬記念および2019年の回顧を、年度代表馬というタイトルに絡めてお届けする感じにしたい。
そのリスグラシューを含めて、2019年は日本馬による海外GIの勝利の多かった年だった。コックスプレートは議論の余地がない大タイトルで、宝塚記念や有馬記念とならぶ存在と考えていいだろう。リスグラシューはGIの中でも価値高めのGIを3つ勝ったということで、文句なしの年度代表馬だと個人的には考えている。
ただ今後は、海外GIの価値をどう見積もるかが年度代表馬選考において大きな課題になるのではと思う。メールドグラースが勝ったコーフィールドカップのように「有名・重要GIだがハンデ戦」というケースや、ディアドラが勝ったナッソーステークスのように「日本馬が不得意とする欧州遠征での成功だが牝馬限定戦」といったケースは価値の算定が難しい。
この2頭は年間GI勝ちがひとつで2019年度代表馬の議論では対象にならなかったが、将来はこういう馬・タイトルが選考に絡むこともありうる。