マカオと香港の対応の差とは?
ご存知の方も多いとは思いますが、新型肺炎の猛威がマカオと香港の競馬を直撃しています。
カジノ運営会社に勤める女性からウイルス感染者が出たマカオでは、5日午前0時からすべてのカジノ施設の営業が停止されました。この措置はひとまず19日まで続くとのことです。
それとともに、この間の競馬開催と、“海外競馬”の場外発売を含むすべてのスポーツベッティングの営業も中止になりました。競馬そのものは15日(土)にしか開催予定がなかったので、今のところこれがキャンセルされただけですが、6、9、13、16日に行われるはずだった調教も取りやめとなっています。
“カジノ依存度”が極めて高いマカオで、その施設の営業をすべて止めるというのは、戒厳令を発令したような状態だと思います。リゾートホテルや、その中のレストランなどは営業しているところもあるようですが、この2週間は多くの市民を自宅待機させて様子を見るということなのでしょう。そんな中で、競馬だけが特別扱いされて通常通り開催を続けるなんてできないわけです。
一方、香港競馬は開催を続けています。ただし、シャティン、ハッピーヴァレーの両競馬場ともに、入場できるのは馬主とあらかじめレストラン席を予約した人だけ(新規予約は中止)。入場者には体温検査が実施されるとのことです。加えて、市中各所にある場外馬券発売所はすべて閉鎖されました。
香港では、1カ所に多くの人が集まる状況をできる限り作らないようにしているものと思われます。香港競馬は抜群の集客力を誇るイベントですから、下手をすると競馬場や場外馬券売り場で爆発的に感染が拡大してしまうかもしれませんからね。
もう1つ、香港がマカオと違うのは、この措置をいつまで続けるか、期限を設けていないところ。情報は状況の変化に応じて、その都度更新されていくようになっています。マカオも、ひとまずの期限とされる19日が近づけば、防疫措置の延長が講じられるのではないかと思われますが……。
すでに、3月にマカオ、5月に香港シャティンで行われる予定だった“相互交流競走”も中止が発表されました。これがどういう意味を持つのか、とても気になります。
そう、すでに双方の主催者が、「新型肺炎の影響は少なくともそのあたりまで続く」と見込んでいるのだとすれば、今の状況はまだまだ“序の口”にすぎないという恐れもあるわけでしょう?
となると、去年、ウインブライトが勝ったクイーンエリザベスII世Cも無事に開催できるかどうか……。もちろんそれだけではなく、今後、世界中の競馬にさまざまな影響がジワジワと及んでくるに違いありません。日本で大流行、なんていう最悪の事態に陥らないよう、ただただ祈るばかりです。