
▲今回のテーマは「ベストパートナー」、クイーンズリング編をお届け (C)netkeiba.com
今回のテーマは、ミルコ騎手が過去に騎乗した名馬を語る「ベストパートナー」。ピックアップするのは2016年のエリザベス女王杯の勝ち馬、クイーンズリングです。
「あの馬の走りは僕より波が激しかった」、ミルコ騎手がそう語るほど、GI勝利までの道のりには紆余曲折がありました。そして迎えた、GIタイトルのチャンス。その舞台裏では、なんとしても勝たなければいけなかった理由もありました。
(取材・文=森カオル)
4歳の秋になってすごく変わってきた
──突然ですが、今までで一番騎乗機会が多かった馬ってわかりますか?
ミルコ ん~、わからないね。ドゥラメンテ?
──違います。ドゥラメンテとのコンビは5回です。
ミルコ 5回!? あ、わかった! 藤沢厩舎の馬で、阪神Cを勝った……ロサギガンティア! お母さんがドイツの馬で、すごくたくさん乗った覚えがある。
──ロサギガンティアも5回…(笑)。
ミルコ あれ? 5回だけ!? 全然少ないね(苦笑)。
──騎乗機会1位は2頭いて、それぞれ14回騎乗しています。1頭は現2勝クラスのショパンで、もう1頭が…
ミルコ わかった! クイーンズリングじゃない?
──正解です!
ミルコ それにしても14回も乗ってた!? すごいね~。クイーンズリングは、新馬と500万はブノワが乗って勝って、そのあと僕が乗ることになって。その頃から走りそうな雰囲気はあったけど、小さい馬でね。
──ミルコ騎手にスイッチしたフィリーズレビューは、マイナス20キロ(444キロ)での出走だったんですよね。

▲重賞初勝利となったフィリーズレビューは、444キロという小ささだった (C)netkeiba.com
ミルコ そうそう。でも、最後はすごくいい脚を使ってくれた。そのあと、桜花賞(4着)、オークス(9着)と走って、秋華賞でも2着でしたし、4歳になって京都牝馬Sを勝ったりしたけど、GIではまだ力が足りないかな…っていう感じだった。すぐに体重が落ちたり、逆に増えたりしていたから。
──当時は、つかみどころのない馬というか、難しそうな馬という印象がありました。