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新型肺炎の流行を受けての国内各主催者の動向

  • 2020年02月22日(土) 12時00分

先行きの見えない不安はいつまで続くのやら……


 いよいよ深刻な事態が近づいていることを覚悟しなければいけないのでしょうか? 新型コロナウィルスの感染者が国内で増え続けています。

 これを受けて、JRAや地方競馬の主催者も対策を講じなければならなくなりました。22、23日に開催を予定しているところの対応は以下のとおりです(一部を抜粋。21日午後7時時点)。

 JRA:競馬場、ウインズ等の来場者に向けた「手洗い」や「マスクの着用を含む咳エチケット」、施設入場時のアルコール消毒の呼びかけ。風邪のような症状など、体調に不安のある人への来場自粛のお願い。ファンサービスイベント(ターフィーグリーティング、キャラクターショーなどの写真撮影会、握手会……)の一部中止。ウイナーズサークルなどでの騎手のサイン、握手を中止。

 ばんえい帯広競馬:ほぼJRAと同じ(イベントなどの中止は今のところなし)。

 佐賀競馬:中央表彰台、通路での騎手との握手、サイン、プレゼントなどの手渡しなどの中止。

 また、高知競馬は、今週の開催に伴う特別な対応はないものの、29日と3月1日に予定していた「第1回カレー博in高知けいば2020」の中止を決めています。

 状況は刻一刻と変化していますので、競馬場や場外発売所にお出かけの方は、各主催者のホームページなどでそれぞれの対応をご確認の上、ご協力をお願いします。

 ところで、高知競馬のホームページに載ったカレー博中止のお知らせの中には、「新型コロナウィルスへの有効な対処法の先行きが見通せない中」という文言がありました。

 これ、まさにそのとおりですよね。例えばマスクの着用1つをとってみてもそう。専門家は、マスクさえしていれば感染を防げるわけではないと言っています。しかも、マスクそのものが、今や極めて入手困難な状況。みなさんはどのようにしてマスクを購入されているのでしょうか?

 とにかく“新型”だけに、誰もが今後を見通せない状態に陥っているようです。女子プロゴルフのトーナメントが無観客開催になったり、大規模マラソン大会の一般参加が中止になったりしている中、競馬開催がこのまま続けられるのか、不安が募ります。

 一方で、先々週の当コラムで取り上げた香港とマカオの競馬では、今週、新たな動きがありました。感染拡大防止のため中止されていたマカオ競馬が22日から再開されることになったのです。カジノ全面閉鎖などの策が功を奏した結果と思われます。

 しかし、香港競馬の“限りなく無観客に近い開催”はいまだ続行中です。日本の競馬がマカオのように開催を中止せざるを得なくなってしまうのか、それとも香港のように無観客開催でしのぐことになるのか、向こう1週間くらいが分かれ道になるかもしれません。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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