レースの賞金体系も大幅改善
2月21日、今年度のホッカイドウ競馬の開催日程が発表され、それによると、開幕は来る4月15日(水)、毎週火水木を基本にして11月5日(木)までの期間で15開催計82日間の日程である。昨年よりも2日多い。
ホッカイドウ競馬の開催日程が発表された(写真は昨年の道営記念)
ただし昨年までと同様に、今年も開幕直後は十分な出走頭数の確保が難しいことから、当分は週2日開催が続き、週3日開催になるのは5月末の26日〜28日になってからのこと。その後も、1開催5日制(週2日と3日を交互に開催)が約1ヶ月間続き、本来の週3日開催が定着するのは6月下旬まで待たねばならない。
とはいえ、好調な馬券売り上げにより、今年はレースの賞金体系もかなり改善されることになるようだ。主催者発表の「競馬番組の概要」によれば、どのクラスにおいても賞金増額が見込まれている。
まず2歳戦。年間113レース予定されているJRA認定競走は、重賞9、上級認定14、フレッシュ55、アタック35という内訳だが、それぞれ1着賞金が増額される。重賞競走は令和元年が250万円〜500万円だったが、今年度は250万円〜600万円に、上級認定競走は200万円→220万円、フレッシュチャレンジ競走は150万円→200万円、アタックチャレンジ競走は80万円→100万円となる。
2歳の重賞競走で、今年度の目玉は11月3日に実施される「JBC2歳優駿」だが、1着賞金は昨年までの「北海道2歳優駿」時代の2500万円から一気に500万円増えて3000万円。またブリーダーズゴールドジュニアカップが500万円→600万円、サンライズカップ300万円→500万円、サッポロクラシックカップが300万円→400万円、栄冠賞が300万円→400万円にそれぞれ改定される。
また昨年まで2着以下の賞金比率が150%方式(100、20、15、10、5)だったのが、今年度の2歳戦は重賞限定ながら170%方式へと改められる。詳細はまだ明らかにされていないものの、例えば、1着賞金100万円ならば、35万円、20万円、10万円、5万円というような配分比率であろうか。これは馬主や厩舎関係者にとっても朗報であろう。
次に3歳戦について。道営版ダービーである「北海優駿」の1着賞金が700万円→1000万円に増額される。また未勝利戦が25万円→30万円に底上げされる。なお3歳戦に関しては、全ての競走が150%方式から170%方式へと改定される。
3歳以上の古馬戦は、まず重賞の道営スプリントが1着賞金500万円→1000万円、コスモバルク記念が300万円→500万円、グランシャリオ門別スプリント300万円→500万円にそれぞれ増額される。さらに「ウポポイオータムスプリント」(1着賞金400万円)が新設される。
A1特別競走、A2特別競走もそれぞれ100万円→150万円、80万円→100万円へと増額される。またC2〜C4の一般競走も25万円→30万円へと底上げされる。
ただし、古馬競走の賞金配分比率は複雑で、重賞とC2〜C4クラスは170%方式だが、それ以外は従来通の150%方式に据え置かれる。馬齢やクラスに関係なく全レースの賞金配分率を全て170%にするには、未だ時期尚早ということなのだろう。今年度更なる売り上げ増が実現すれば、そうなる可能性もあるのだろうが。
なお、今年度も3歳以上の古馬に対し、第2回門別開催(5月6日まで)までに出走した馬には、出走手当の他に出走奨励金2万円を交付する。また北海道馬主会の協力により、今年度も輸送費に対する補助を実施する。対象馬は「初出走がホッカイドウ競馬で、他場所属で出走した3歳以上の馬」及び「前年度ホッカイドウ競馬で出走し、その後他場所属で出走した3歳以上の馬」たちである。これらが門別第4回開催(6月4日)までにホッカイドウ競馬に出走すれば、それぞれ別途定める輸送費を補助する、ということ。
その詳細な基準表は省略するが、ひじょうにきめ細かく分類されており、金額では2万円〜16万円までと幅広い。これらの狙いは前述したように、春先の出走頭数をできるだけ数多く確保するための補助事業で、とりわけ手厚いのが第1回及び第2回門別開催までの間に北海道馬主会会員の所有する3歳馬が他場よりホッカイドウ競馬に帰厩して出走するケースに対して、である。古馬、わけても3歳馬の層をなるべく厚くして3歳3冠路線の充実を図るのが目的だ。
もう一点、今年度における新たな取り組みとして挙げられるのが、「馬購入費に対する補助事業の新設」で、これは「北海道馬主会会員(希望者)の中から抽選で20名を選び、次年度にホッカイドウ競馬デビューさせること等を条件として、公設市場において300万円以上の購買馬に一律100万円の助成を行なう」という内容だ。20名とあるだけで頭数制限に関しては明記されていないが、1人1頭の割り当てなのかそれとも複数の購買馬でも対象になるのかどうか。とはいえ、来る1歳市場においてまた新たな購買者参入が期待できそうだ。
その他、地全協優良2歳馬導入促進事業(予定)、公益社団法人日本軽種馬協会からの牝馬限定競走の優勝馬主に対する副賞の支援、さらに昨年までと同様に「スタリオンシリーズ競走の実施」なども項目として挙げられている。
以上、様々な補助、助成と、本賞金の増額及び賞金配分比率の改定などの施策を実施し今年度のホッカイドウ競馬の開催が4月15日にスタートする。
いよいよ4月15日に今年のホッカイドウ競馬が開幕(写真は昨年の道営記念時のスタンド)