現在22歳のヒューイットソン騎手(撮影:赤見千尋)
2016年に南アフリカで騎手デビューし、自国ではすでにGI6勝、(日本の減量騎手にあたる)見習い騎手ながら2年連続でリーディングジョッキーの座にも輝いた、ライル・ヒューイットソン騎手。昨年は香港で騎乗するも、満足いく成績は残せなかったといいます。そんな、若くして栄光も挫折も経験したヒューイットソン騎手が次の挑戦の場に選んだのは日本でした。様々な出会いを経てここにやってきた若きトップジョッキーは、常に感謝の気持ちを忘れない好青年でもありました。
(取材・文=赤見千尋)
ストロングポイントは、馬に合わせて折り合いを付けるところ!
――今回初めてJRAで短期免許を取得しましたが、どういう経緯だったのでしょうか?
ヒューイットソン 香港でモーリスのレースを見て、「とても強い馬がいる」と日本の競馬に興味を持ちました。去年僕は香港で短期免許を取得したんですけど、なかなか上手くいかなくて悩んでいて。12月の香港国際競走の時、オイシン・マーフィー騎手と安藤裕さん(マーフィー騎手の通訳担当)にお会いして、いろいろとお話しする機会がありました。香港で免許を延長しようかとも思いましたが、ノーザンファームの方々やアーモンドアイで有名な国枝厩舎、オイシンや安藤さんのサポートもあって、日本でチャレンジすることにしたんです。
――日本では初週から3勝の活躍だったので、香港で結果が出なかったというのは意外です。
ヒューイットソン 南アフリカでデビューして、周りの方々のお陰で早い時期にリーディングを獲ることが出来ました。騎手としていろいろな波はありますが、初めての大きな挫折でしたね。これまで海外での騎乗は、国際騎手招待でシンガポールやアブダビで騎乗したことがありますが、短期免許で滞在しての競馬は初めてだったので、なかなか思うようにいかないことが多かったです。心が折れそうな時期もありましたが、僕の周りはとても素敵な人ばかりで、本当に支えていただきました。今振り返ると、香港で苦戦したことはいい経験です。
――実際に騎乗してみて、日本の競馬はいかがでしょうか?
ヒューイットソン まず競走馬たちの質が良くて、とてもレベルが高いと感じます。馬自身の走りがキレイですし、ジョッキーたちもフェアプレイ精神に溢れていますね。その中でペースがとても速く、競走自体は激しいので、騎乗していて楽しいです。
――初週から3勝を挙げる活躍で、いきなり存在感を見せてくれましたね。
ヒューイットソン 香港では初勝利をするまでにとても時間が掛かってしまったので、勝つことが出来て気持ちが楽になったというか、とにかくホッとしました。頑張ってくれた馬たち、周りの方々に感謝しています。
5番人気マサハヤニースで待望のJRA初勝利!(撮影:下野雄規)
――3勝ともに逃げか番手からの勝利でしたが、スタートしてガンガン追って行くというより、ス〜ッと加速してポジションを取るように見えました。
ヒューイットソン そうですね。確かに前に行く競馬で勝ちましたが、それが僕のスタイルかと言われると、多分違うと思っていて。