▲M.ミシェル騎手の、秘めた強さと素顔に迫る
NARの短期免許を取得し、1月27日から地方競馬で騎乗中のM.ミシェル騎手。日本全国どこに行っても“ミシェル・フィーバー”が巻き起こり、“美しすぎる”という言葉も多数飛び交います。
日本では華やかなイメージを持って伝えられているミシェル騎手ですが、デビューから6年、決して平坦な道のりではありませんでした。これまでの歩みを通して、ミシェル騎手の“強さ”に迫ります。
(取材・文=不破由妃子、写真=高橋正和)
家族にとっては受け入れがたい選択だったと…
──NARの短期免許を取得して以来、日本全国いろいろな競馬場で騎乗されていて、どこにいっても“ミシェル・フィーバー”が巻き起こっていますね。この状況については、どう受け止めていますか?
ミシェル この状況を気に入っていて、すごく楽しんでます。また、多くの競馬場で乗ることができて、さらに経験を積ませていただいているありがたさも感じています。
▲1月29日に川崎競馬場で地方競馬初勝利
──日本では、とても華やかなイメージを持って伝えられているミシェル騎手ですが、デビューから6年、決して平坦な道のりではなかったそうですね。今日はこれまでの歩みを通して、ミシェル騎手の“強さ”に迫っていきたいと思っているのですが、まずはどういった経緯で馬と出会ったのか、そのあたりの経緯から聞かせてください。
ミシェル なぜ馬に興味を持ったのか、それは自分でも説明がつかないんです。「生まれたときから馬が好きだった」としか言いようがなくて…。子供の頃、馬のぬいぐるみを持っていたんですが、獣医さんになり切って、ぬいぐるみに絆創膏を貼ったりして(笑)。そんな感じで遊んでいましたね。
──前提として、子供の頃から馬が身近な存在だったとか?
ミシェル いいえ、決して身近な存在ではありませんでした。というのも、家族は馬が好きではなくて(苦笑)。だから、生まれながらに惹かれていたとしか本当に言いようがないんです。私が乗馬を始めたことも、家族にとっては受け入れがたい選択だったと思います。今でもいつも「馬臭い」って嫌がられます(笑)。
──そうなんですね(笑)。乗馬を始めたのは、その先に「ジョッキーになる」という目標を持っての選択だったのですか?
ミシェル 違います。なぜなら、ジョッキーという仕事があることすら知らなかったから。自分で馬にまつわる仕事をネットで探していたときに、たまたまジョッキーという仕事を知ったんです。
その後、近くに競馬学校があることがわかって研修に行ったら、すぐにフィットして。ただ、女性が活躍するのが難しい世界だということは、あまり知りませんでした。
──そういう現実に気付いたのはいつですか?