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リアルスティール、ラヴズオンリーユーの全妹ラヴユーライヴ

  • 2020年03月25日(水) 12時00分
●アルティフェクス(牡 美浦・鹿戸雄一 父エイシンフラッシュ、母アルスノヴァ)

 母アルスノヴァは通算3戦2勝。屈腱炎で早期引退したものの、2歳時に牝馬ながらエリカ賞(500万下)を勝ったようにきわめて高い素質を秘めていた。

 それもそのはず、母の兄弟にはオルフェーヴル(年度代表馬、顕彰馬)、ドリームジャーニー(最優秀2歳牡馬、最優秀4歳以上牡馬)という2頭の名馬がいる。

 これらを産んだ名繁殖牝馬オリエンタルアートの直系の孫にあたるのが本馬。兄弟はJRAで6頭出走して3頭が勝ち上がっている。本馬の父はエイシンフラッシュ。

 Nureyev≒エレクトロアート5×3が配合的なキーポイントで、先行して粘り強い芝中距離タイプだろう。

●カゼノタニノアヤカ(牝 栗東・安田隆行 父ロードカナロア、母ペイパーチェイン)

 母ペイパーチェインは現役時代、フランスのリステッド競走(芝1600m)で4着となった。

 母の父Dubawiはわずか1世代を残して急逝したDubai Millenniumの代表産駒で、Postponed(15年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS-英G1などG1を4勝)、マクフィ(10年英2000ギニー-G1、10年ジャックルマロワ賞-仏G1)、Too Darn Hot(19年サセックスS-仏G1などG1を3勝)をはじめ多くのG1ホースを誕生させている。

 父ロードカナロアはスピード型で、産駒のなかで最もデキがいいアーモンドアイとサートゥルナーリアは母がスタミナタイプだった。

 本馬の母は「Dubawi×Chief's Crown」という底力あふれる中距離血統。Dubawiとロードカナロアの組み合わせは魅力的だ。芝向きのマイラー。

●サトノレグルス(牡 美浦・宮田敬介 父メイショウサムソン、母サトノフローラ)

 母サトノフローラは2歳9月の新馬戦(芝1800m)を9馬身差で逃げ切り、クラシック候補と騒がれたが、脚部不安で半年間の休養に入り、春のクラシックには間に合わず。

 その年の夏、キャリア4戦で出走した関屋記念(GIII)で3着と健闘し、素質の高さを見せつけた。脚部不安さえなければかなりの活躍が見込めた馬だった。

「メイショウサムソン×アグネスタキオン」の組み合わせは函館記念(GIII)を勝ったルミナスウォリアー、中山金杯(GIII)3着のストレンジクォーク、小倉大賞典(GIII)5着のマサハヤドリームなどが出ており悪くない。

 本格化するのは古馬になってからかもしれないが、芝中距離で注目したい。

●ジャニス(牝 美浦・田中清隆 父キズナ、母ヒシバラード)

 母ヒシバラードは不出走馬だが、女傑ヒシアマゾン(エリザベス女王杯-GI、阪神3歳牝馬S-GIなど重賞9勝)を母に持つ良血。これまでにJRAで9頭の産駒がデビューを果たし、2頭が勝ち上がっている。

 本馬の父はキズナ。昨年のファーストシーズンサイアーチャンピオンで、すでに5頭の重賞勝ち馬を出している。世代別の種牡馬ランキングはディープインパクトに次ぐ第2位。将来のチャンピオンサイアーの有力候補だろう。母方にNureyevを抱えた配合は成功している。芝・ダート兼用のマイラー。

●ラヴユーライヴ(牝 栗東・矢作芳人 父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー)

 リアルスティール(16年ドバイターフ-首G1、17年毎日王冠-GII、15年共同通信杯-GIII)、ラヴズオンリーユー(19年オークス-GI)、プロディガルサン(17年東京新聞杯-GIII・2着)、ラングレー(14年毎日杯-GIII・4着)の全妹。

「ディープインパクト×Storm Cat」はキズナ、ラキシス、エイシンヒカリなど国内外で8頭のGI馬が出ているニックス。2代母MonevassiaはKingmamboの全妹で、3代母Miesqueは80年代の世界最強マイラーという世界レベルの良血は魅力的だ。

 仏ダービー馬Study of Manと配合構成が似ている。じっさい、兄姉は高確率で重賞クラスに育っており、馬のデキに不安がなければ大仕事が期待できる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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