▲学校時代の優等生が、デビューしてすぐにぶつかった壁とは (C)netkeiba.com
佑介騎手の同期、津村騎手との対談の第2回。川田将雅騎手、吉田隼人騎手らを擁する第20期生の中において、図抜けて上手かったという津村騎手。
デビューしたら、さぞ勝ち星を量産するかと思いきや…。「“あの津村”が勝っていない…」、同期からしたら信じられないことが起こりました。「上手いのに勝てないなぁ」、そんな周囲からの声が重くのしかかる日々。当時の苦悩を振り返ります。
(取材・構成=不破由妃子)
「川田のことは同期として本当に尊敬してる」
──自分の技術の高さを自覚していないのも津村さんのキャラということでしたが、デビュー前の模擬レースも2戦2勝、アイルランド大使賞も順当に受賞とあって、相当手応えを持ってデビューされたのでは?
津村 いや、違います。そこが僕に足りなかったところだと思うんですよ。馬乗りについても、「自分がこうするから馬がこうなる」とか、全然わかっていなかったし。
佑介 なんとなくできちゃってたんだろうな、全部が。
津村 そうそう。わからないまま、なんとなく乗ってた感じで。そんなんだから、思うように勝ち星を伸ばすこともできなかったし。
佑介 正直、デビューした年は津村のことを気にしている余裕もなかったし、自分のことで精一杯だったけど、2年目くらいからかな、勝てる馬に乗せてもらえるようになって、なんとなく競馬ってこうやって勝つんだなって勝ち方が見えてきたときに、津村の成績があまり伸びていないことが気になってきて。
俺たちのなかでは、“あの津村”があまり勝っていないなんて、信じられないことだったからね。競馬学校時代のことを思うと、考えられないことだった。てっきり一人でバーッと飛び出すと思ってたから。
津村 デビューした頃、藤岡と川田がけっこう勝ってたじゃん。「なんであんなに勝てるんだろうな」って思ってたよ。