方針の見直し時期かもしれません
いつもより(私は)長く感じた3月が終わって、春本番の4月を迎えました。みなさん、お変わりなくお過ごしですか?
いや、これは愚問でした。今や新型コロナの影響で“お変わりなく”過ごせている方はほとんどいないんじゃないかと思うほど。世の中のすべての人の人生が変えられてしまっている、と言っていいくらいですからね。
そんな中で、テレビ東京の「ウイニング競馬」は、前身となる「土曜競馬中継」が1970(昭和45)年4月に放送を開始して以来、50周年を迎えました。
これもひとえに、日曜日に比べると圧倒的にビッグレースが少なく、名の通った馬が出てくることもそう多いとは言えない土曜日の競馬を熱心にご覧いただいているファンのみなさまのおかげ。番組制作者に成り代わりまして、深く感謝申し上げます。
と同時に、私の番組出演は何と30周年を迎えました。考えてみれば、私の人生の半分以上に及ぶ年数です。
でも、長くやってきたという感覚はそんなにありません。ホントに「考えてみれば」という感じ。何度も書いている話ですが、まわりには長岡一也さんや吉田勝彦さんといった大ベテランの方々がいらっしゃいますから、30周年なんて“まだまだ”だと思いますよ。
さてさて、経験の深い、浅いに関係なく、新型コロナの猛威にさらされている昨今です。日本の競馬は中止になることなく続けられていますが、それはまさに綱渡りの状態。開催できているのが奇跡としか思えない状況になってきました。
先日はJRAの公正室が騎手に対して感染拡大防止の指導を行ったとのこと。3日(金)午後6時の時点では、まだ緊急事態宣言は発令されていないものの、すでに私たちは緊急事態のまっただ中にいることを強く自覚しなければならないようです。
事ここに至ったからには、騎手や厩舎関係者、あるいはわれわれ報道陣からも、1人の感染者も出さない、というのは無理な話に思えてきました。今は、騎手の中に1人でも感染者が出たら開催を中止する方針のようですが、それをあえて見直したほうがいい時期にさしかかっているのかもしれません。
じゃあどうすればいいのか? と言われても、すぐに妙案が浮かんでこないのがもどかしい限り。でも、例えば中山競馬は美浦、阪神競馬は栗東所属騎手の騎乗に限定し、第3場の開催には両方のトレセンから選抜した騎手を現地に長期滞在させて騎乗させるとか(これは今週の『週刊競馬ブック』にも書きました)、競馬場近くのホテルを借り上げて臨時の調整ルームとし、騎手には1人1部屋を割り当ててできるだけ他の騎手との接触を避けるとか、いろいろな方策が考えられます。
異論もあるでしょうが、とにかく緊急事態だからこその非常措置です。みんなで知恵を出し合って開催を続けてほしいと思います。