今の状況下では最悪であって最善の策
とうとう日本ダービーまでもが無観客開催になってしまいました。競馬が続けられているだけマシ、とは言うものの、これは中止に次ぐくらい衝撃的なことだと思います。
1968(昭和43)年と72(昭和47)年のダービーは7月に行われました。68年は東京競馬場の大改築、72年は馬インフルエンザ発生の影響によるもの。そういう前例があるので、今年はその頃まで順延するプランも考えられたはずです。
でもそうなると、テレビ東京杯青葉賞やプリンシパルS、さらには京都新聞杯の日程まで見直さなきゃいけません。そもそも、順延したところで観客を入れての開催がいつ再開できるか、見通せない状況。無観客での実施は最悪の中にあっての最善の策と言っていいでしょう。
今のところ、厩舎関係者の方々が厳しく生活を律しているおかげで、競馬は中央、地方ともに粛々と続けられています。先日はホッカイドウ競馬の新年度開催がスタート。ばんえい競馬もきのう24日に2020年度シーズンが開幕しました。
JRAの春のGIシーズンがクライマックスを迎え、全国の地方競馬が足並みを揃えて開催されるこの時期に、競馬場や場外発売所にファンのみなさんの姿が見られないのは寂しい限り。ですが、とにかく各地の競馬が中止に追い込まれることのないよう、関係者のみなさんには最大限の努力を続けていただきたいと願っています。
さて、そんな状況の中で、毎回新たな対応を迫られている「ウイニング競馬」。25日の番組も今までと違う態勢でお送りすることになりました。
テレビ東京の本社スタジオに入れるのが局員だけに制限されたため、今週は大久保洋吉先生に加え、ジャンポケ斎藤さんと東スポ・虎石記者はリモートによる出演に。キャプテン渡辺さんは先週に引き続き電話による音声のみの出演となります。
で、私は、ジャンポケ斎藤さんやキャプテン渡辺さんらと同じく、局舎に入れなくなっちゃっいました。“スタジオレース実況”は、テレビ東京の板垣アナと中垣アナが担当します。
つまり私は、当分の間、(当コラムの執筆やばんえい競馬公式サイトでのレース予想、FM PORTのコーナー出演以外)“失業状態”になるところでした。
でも、ありがたいことに、スタッフが局に入らなくてもできる仕事を作ってくれたのです!それは、番組で流れるVTRにナレーションを付けること。放送前日の金曜日、本社近くの別のビルにあるスタジオで収録します。
今のご時世の中で、なんとか仕事を続けられている私は恵まれています。もっと厳しい状況に置かれている方々は大勢いらっしゃるわけですからね。とにかく体に気をつけて、この危機を乗り越えたいと思っています。