■天皇賞・春(GI・京都芝3200m外)フルゲート18頭/登録16頭
★3行でわかる! 天皇賞・春 攻略の糸口1.とんでもなく内枠有利&外枠不利。ふたケタ馬番軽視!2.1番人気ではなく2〜4番人気を信頼。ヒモ紛れ傾向強し。3.4角6番手以内通過が勝ち負けの条件。先行勢重視!データ特注推奨馬 ★現時点ではなし 荒れるときはドカン!と荒れる、天皇賞・春。1番人気が非常に弱く、ファンの期待にサッパリ応えられていないのが、その要因といえる。しかし、2〜4番人気は素晴らしい内容を残しており、上位人気トータルでの信頼度はけっこう高め。そして、2〜3着のヒモが思いっきり紛れるのも、このレースの大きな特徴といえる。
荒れる要因のもうひとつが、枠番による影響の大きさだ。詳しくは後述するが、「メチャクチャ内枠有利&外枠不利」なレースで、馬番1〜6番に入った馬はそれだけで買う価値アリ。この時期特有のスーパー高速馬場も、内枠有利を加速させている。また、勝ち負けしている馬のほとんどが「4コーナーを6番手以内」で通過していたというのも、重要なポイント。直線の長い外回りであっても、直線に入ってからでは間に合わない。
脚質的に先行勢優勢であるのを裏付けるのが、ここで掲載している、前走での4コーナー通過順位別での成績。ご覧の通り、前走でも前に行っていた馬のほうが明らかに好成績である。前走で先行していた馬が今回内枠を引き当てたならば、それはもう18番人気であっても「黙って買い」が正解。その他にも買い材料があるような馬ならば、高確率で激走が期待できるはずだ。
【コース総論】京都芝3200m外 Cコース使用
※今回は「京都芝2200m以上の外回りコース」を集計対象としています。
・コースの要所!
★勝率が高いのは人気サイドも相手がけっこう紛れる。ヒモ穴の取捨が重要。
★完全に内枠有利&外枠不利のコース条件。内枠と外枠では天と地ほどの差。
★後方に置かれると致命傷で、中団よりも前のポジションが勝ち負けに必須。
京都芝3200mは、現在では天皇賞・春「専用」コース。データ母数がまったく足りないので、今回は京都芝2200m以上の4コースを集計対象としている。距離は大きく異なるが、いずれも外回り。また、勝ち負けに要求される資質も、それほど大きくは異ならない印象を受ける。雑なデータにはなるが、少なくとも参考にはなるはずだ。
バックストレッチのやや2コーナー寄り地点からスタート。そこから、起伏の大きな外回りコースを上がったり下がったりしながらレースは進む。組み合わせ次第ではあるが、序盤〜中盤が速くなるケースはまれで、それでも距離が距離だけにスタミナや持久力は要求されてくる。仕掛けどころが意外に早く、ロングスパート合戦となるケースも多いので、なおさらである。
人気別成績からは、上位人気馬の勝率が非常に高いのが見てとれる。16頭以上と多頭数のレースに限定したデータでも、3番人気以内馬が1着に占める割合は67.8%という高さ。3回に2回以上の確率で勝っているのだから、きわめて優秀といえる。対照的に2〜3着のヒモはかなり紛れる印象で、7〜9番人気や10〜12番人気あたりを狙うのも面白そう。「軸は素直に、相手はひねって」という買い方を推奨する。
次に枠番だが、ハッキリと「内枠有利&外枠不利」なコース条件。内枠のほうが人気になっているとはいえ、出している結果はそれ以上だ。脚質にもよるが、基本的には「内であればあるほどベター」と考えるべき。多頭数の外枠から勝つためには、かなりの能力差が必要とされる。人気馬でも、評価の割引は必須だ。
最後に脚質面。先行勢と中団待機組が互角に張り合っているのだが、完全に「蚊帳の外」なのが後方勢。4コーナーを11番手以下で回っているようでは、勝ち負けどころか3着にくるのも難しい。2周目の3コーナあたりから位置をマクリ上げるような競馬をしないと、後方からでは間に合わないコース条件。外回りで最後の直線は長いが、実際はそこに入るまでのポジションで、勝負が決まっていることが多い。
【レース総論】天皇賞・春(GI) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気は弱いが、2〜4番人気はかなり強い。相手が大きく紛れるのも特徴。
★コースデータ以上に内枠有利&外枠不利。馬番13〜18番は大幅な割引が必要。
★馬券絡みした馬の75%以上が4角通過6番手以内。中団からの差しも届かない。
★5歳馬が中心で阪神大賞典組が優秀な内容。前走マイナス体重の馬も要注目。
レースの平均配当は、単勝2202円、馬連1万604円、3連複5万82円。波乱傾向の強さは、先週のフローラSと負けず劣らずだ。その要因が1番人気の不甲斐なさで、[2-1-0-7]で複勝率30.0%という低調な結果。同じ上位人気ならば、2〜4番人気のほうがはるかに好内容なのである。さらに、ヒモ荒れ傾向が強いのも特徴で、ときにとんでもない大穴の激走もあるレース。相手はかなり手広く取りたい。
次に枠番だが、こちらは「圧巻」の偏りっぷり。内枠有利&外枠不利のコース条件だとはすでにお伝えしたが、天皇賞・春ではその傾向がさらに加速している。内・中・外での平均人気がほぼ同じであるにもかかわらず、平均着順は「内>>中>>>>>>外」で、内枠を買うだけで儲かるといっても過言ではないほど。当然、外枠である馬番13〜18番に入った馬は、どんな実績馬であろうとかなり厳しい。
脚質面でも大きな偏りが見られる。4コーナーを先頭で回った馬は、[4-1-2-3]で複勝率70.0%、複勝回収値551という驚異的な成績。それを筆頭に、馬券に絡んだ馬の76.7%までが、4コーナーを6番手以内で回った馬によって占められているのだ。勝ち負けに持ち込むには、「前」のポジションが必須。後方に位置する馬は、かなり早めに仕掛けて前を射程圏に入れておく必要がある。直線に入ってからでは手遅れだ。
年齢別では5歳馬が好内容。それに次ぐのが4歳馬や6歳馬で、7歳以上の高齢馬になると信頼度はガクンと落ちる傾向にある。もっとも、昨年もパフォーマプロミスが上位に食い込んでおり、高齢でも2年連続で激走したカレンミロティックのような例もあるので、完全に「消し」とはいえない。そして前走レース別では、阪神大賞典組が複勝回収値129をマーク。大きな差はないが、多少プラスに捉えたい。
アノマリー系のデータからは、前走→今回での馬体重増減に注目。簡潔にいえば「前走マイナス体重」の馬がやたらと強く、そのなかでも「今回増減なしかマイナス体重」の馬は要注目。ステイヤーらしい馬体にキッチリ絞れているほうが、やはり好結果を残しやすいレース──ということなのかもしれない。騎手関連データでは、継続騎乗組のほうがやや高信頼度であること、関東所属騎手の活躍が目立つことを覚えておきたい。
【血統総論】 血統面では、ディープインパクト、ステイゴールド、ルーラーシップ、オルフェーヴルの産駒をプラス評価の対象とした。プラス評価のつく馬が過半数となるが、コース適性が高いのは事実なのだから仕方がない。血統的にも長距離適性の高い馬ばかりが登録しているので、今年に関しては血統というファクターを軽視してもよさそうだ。
★特別登録馬 総論×各論 フルゲートは18頭だが、特別登録馬は16頭。現時点でタイセイトレイルの回避が発表されているので、最高でも15頭での戦いとなる。昨年の覇者フィエールマンに、阪神大賞典を快勝したユーキャンスマイル、日経賞を制して再び大舞台に挑むミッキースワロー、捲土重来を期する実績馬キセキなどがエントリー。やや小粒ではあるが、今年も面白いレースが期待できることだろう。
しかし、今回上位に評価した2頭はいずれも人気薄となりそう。まずは、いつのまにかセン馬になっていた(※昨年末に去勢手術を受けている)
ダンビュライトだ。6歳になって去勢されるというのも、その価値があるからこそ。メンタル面での落ち着きが出て、持ち前の先行力や粘りが発揮できたならば、今年のメンバー構成ならば最後まで粘り通せる可能性は十分にある。京都実績も十分で、あとは仕上がり次第か。
もう1頭が
スティッフェリオ。くしくも、こちらも栗東・音無厩舎が管理する6歳馬である。一線級を相手に最後まで粘り通すのは難しいかもしれないが、今年はかなり前が楽をできそうな組み合わせ。うまく内枠を引き当てて、スッと前の位置が取れたならばしめたもので、マイペースの逃げに持ち込むこともできそうだ。展開や馬場を味方につけての、人気薄での「一発」を期待する。
以下は順当に、ユーキャンスマイル、フィエールマン、ミッキースワローの人気3頭。ここから先の評価は、すべて枠番次第となる。上位に評価した馬でも、外枠に入った瞬間に「消し」まで評価が落ちるほどに、枠番と馬場による影響が大きな一戦。馬場バイアスや時計は、土曜日のうちにしっかりチェックしておきたい。「とにかく内枠、とにかく先行勢」をテーマに、ここは積極的に高配当を狙う所存である。
■総論×各論・先々週の馬券回顧
無敗馬で素直に決まったし(#^ω^)ビキビキ 期待した13ダーリントンホールは、後方からよく差を詰めるも6着まで。01コントレイルの位置取りを見て胸が高鳴るも、仕掛けられてからの反応が1頭だけ段違いでしたねえ(溜息)。07サリオスもかなり強い競馬をしているのに、それをサクッと差しちゃうんだから、やはりモノが違うということか。
※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!