これからの成長が楽しみなサトノクラウン弟
弥生賞を制した兄サトノクラウン。弟のジョコンダIIの18もバネを感じるフットワークで楽しみが大きいとのこと(撮影:下野雄規)
POGのドラフト時期も間近に迫っているが、今回から2週に渡って、POGでも注目を集めるノーザンファーム生産、育成馬の直前情報をお届けしたい。(5/1インタビュー)
今回はノーザンファーム空港の育成馬について、事務局の前島稔久さんにお話を聞かせていただいた10頭をピックアップしていただいた。まずは3月19日から20日に行われた、合同取材にも姿を見せた5頭から紹介する。
ジョコンダIIの18 牡 父ディープインパクト 堀厩舎
「父の産駒らしいバネを感じるフットワークをしています。サトノクラウンを初めとした兄弟たちが芝中距離で実績を残していますが、この馬も体力があって、折り合い面に不安はありませんので距離はもつと思います。どういう距離でデビューするかわかりませんがスピードがあって、適度に前向きな気性をしていますのでマイルからおろしても対応できるんじゃないでしょうか。合同撮影会の時に比べて、状態が更に良くなっていますので、これからどれだけ成長するか楽しみですね」
ミュージカルウェイの18 牡 父ディープインパクト 友道厩舎
「この馬も父の産駒らしいバネのある走りをしています。元々身のこなしが柔らかくて、厩舎スタッフが乗り味の良さを評価していましたが、ここにきて体幹がしっかりしてきたことで動きに安定感がでてきました。気性も素直で扱いやすいと聞いていますので、距離の融通も利くと思います。『早めのデビュー』というよりも時間をかけて育ててあげた方が、この馬の成長には合っていそうなので、デビューは秋ぐらいになるんじゃないでしょうか。『王道の秋デビュー』からの活躍を期待しています」
コンドコマンドの18 牝 父ディープインパクト 松永幹厩舎
「この馬も父の産駒らしい動きの良さを感じますが、馬体や動き、体力などの平均点が高い、完成度の高さが目立つ1頭です。育成当初はトモに緩さも感じたようですが、それも解消されてきていますし、合同撮影会の時に比べてもう一段階、ステップアップした印象があります。速い時計の調教を行ってきたことが良い刺激になって、前進気勢もでてきましたので「自分からポジションを取りにいく」ような競馬もできるんじゃないでしょうか。この完成度の高さは2歳戦ではアドバンテージになると思いますので、全兄のように2歳戦から結果をだして3歳クラシックを沸かしてくれる存在になって欲しいですね」
※既に栗東入厩済み
エンジェルフォールの18 牡 父ロードカナロア 清水久厩舎
「父の産駒らしいスピード能力に長けた一頭で、坂路を駆け上がる姿からは素軽さと力強さを兼ね備えているように感じます。前向きさはありますが、騎乗スタッフが折り合いに苦労しているようには見えませんので、短距離戦だけというわけではなく、距離延長にも対応できるのではないでしょうか。調教の負荷をかけながらでも馬体重が増えているように健康優良児なので、これからのハードな調教にも対応してくれると思います。近々移動する予定なので、順調にいけば夏競馬も視野に入ると思います。2歳重賞を沸かせるような存在になってほしいですね」
※5/14栗東入厩予定
ディアデラノビアの18 牡 父ロードカナロア 堀厩舎
「骨折でデビューが遅れた兄(グレイトオーサー)も先週(4/25)初戦で勝ち上がりました。確実に走る血統ですし、この馬も先々が楽しみになるような動きを見せています。父の良さを出しながら結果をだしてきた母系らしく、この馬も父の産駒らしいスピード能力の高さは感じています。この血統にしては気持ちに余裕があって、折り合いはついていますし、体力もありますのでマイル以上の距離もこなしてくれると思います。もう少しこちらで乗り込んでから移動する予定ですので、まだ具体的な移動時期は決まっていませんが、順調にいけば秋にはデビューしてくれるんじゃないでしょうか」
ここからの5頭は合同取材に出てこなかった2歳馬たち。まさに「隠し球」と呼ぶに相応しい逸材が揃っているだけに、是非とも指名馬として加えてもらいたい。
ボージェストの18 牡 父ハービンジャー 木村厩舎
「調教の動きが良いですね。トビが綺麗で、力強いフットワークをしています。元々しっかりはしていたんですけど、ここにきて芯が入ってきたことで坂路を上がっていても軸がブレなくなってきました。体力はありますし、芝に対応できるスピードを感じますので、近親が活躍しているような舞台もターゲットになると思います。走りからはパワーも感じますので、荒れた馬場や洋芝といった力のいる条件にも対応してくれるんじゃないでしょうか。」
※5月上旬に美浦に入厩済み
メジャーエンブレムの18 牝 ルーラーシップ 田村厩舎
「母とは体格が違いますし、タイプも違いますが先々楽しみな馬ですよ。育成厩舎にきた当初からバネを感じるキャンターはしていたのですが、非力な部分がありましたので、「時間がかかるかもしれない」と思っていました。それがここにきて大きな変わり身をみせてくれています。この時期の2歳馬の面白さですよね。馬体重に大きな変化があるわけではありませんが、乗り込みを重ねてきたことで今の速い時計も楽にこなせるようになってきましたし、無駄なものがなくなり、肩やトモの筋肉量が増えてきたように動きも力強くなってきました。母の初仔ですし、注目度も高くなると思いますがその期待に応えて欲しいですね」
メジロルルドの18 牝 父ロードカナロア 矢作厩舎
「身体の使い方が上手ですね。前脚の捌きに硬さは見られませんし、身のこなしが柔らかくて素軽い動きをしているので、芝でこそって感じがします。父の産駒らしいスピードや適度な前向きさはありますが、折り合いに苦労はしなさそうなので、距離の融通は利くと思います。『まずはマイルくらいからデビューしてどこまで距離が延長できるか』そんな想像をかきたてられる馬ですね。6月頃の移動を予定しています」
スペルオンミーの18 牝 父エピファネイア 菊沢厩舎
「どちらかというと父というよりも母父の影響を強く感じています。調教の動きは迫力があって、スピード能力を感じますし、調教を進めてもへこたれない精神面や体質の強さも好感がもてます。現在480kg近い馬体重をしているように恵まれた馬体の持ち主で、預託先がアエロリットを管理されていた菊沢調教師なので、色々と想像してしまいますよね。素直な性格をしていて、調教でも折り合いを欠いたりしませんのである程度距離はもつと思います。近々移動する予定なので、早めのデビューも可能ではないでしょうか。」
レスペランスの18 牝 父ダイワメジャー 田中博厩舎
「500kg近い恵まれた馬体、力強さとスピードを兼ね備えたフットワーク、勝ち気な気性と父の産駒らしさが全面に押し出されています。この馬の調教の動きからは能力の高さを感じますし、母系が血脈を広げているウインドインハーヘアの血統ですからね。レシステンシアが2歳女王に輝いたようにまだまだ父の産駒の勢いは衰えていませんのでこの馬がどんな活躍をしてくれるか楽しみです。調教も牝馬とは思えない程にしっかりと乗り込まれていますし、早めに移動出来そうなので、まさにPOG向きの馬と言えるかもしれません。」
ここで名前を挙げた10頭をそのまま指名馬としても、POGを充分に楽しめそうなラインナップ。POGをされない方でも、メイクデビューでの走りや、その後の活躍に注目してもらいたい。
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