競馬専門紙「馬サブロー」が誇るパドックの達人・吉田順一トラックマンに神戸新聞杯出走予定馬の中から6頭の馬体診断を行っていただきました。
(デイリースポーツ 馬サブロー・吉田順一)
ヴェルトライゼンデ栗東・池江泰寿厩舎 牡3

▲9月16日撮影
6戦中4戦が関東圏の競馬だが、間隔の詰まった皐月賞以外は3着以内の堅実派だ。体重の変動が少なく皮膚の薄い姿形で常に全力投球の気性だ。ただ今回はレース2週前の追い日に早い時計を出せてない分、撮影前の1週前追いがハードな調整。多少順調さを欠いたのは事実だが、あばらをうっすらと見せながらもパンパンに膨らんだ馬体は確かな成長を感じさせる。
グランデマーレ栗東・藤岡健一厩舎 牡3

▲9月16日撮影
母の特徴を出しやすいロードカナロア産駒。毛色から母の母父であるクロフネのエッセンスが随所にちりばめられている。肩が立っており、回転の速さでスピードを出すタイプ。立ち爪+立ちつなぎや長さからアエロリットに多少類似しているが、走法からすればマイル以下が理想だろう。皮膚は薄いがトモの膨らみがなく、このあたりは10カ月ぶりの影響がありそうだ。
コントレイル栗東・矢作芳人厩舎 牡3

▲9月16日撮影
骨格に必要な筋肉を身につけ、体脂肪の少ない皮膚感はひと夏越しても同じ。前重心のためダービー時よりはトモ高に見えるが、体高や体長自体は成長している。春はGIのみの出走で100%に近い状態だったが、今回はあくまでトライアル。攻めの負荷がきつくなくトモはこぢんまりと映る。完成形は本番の楽しみ。この姿形だが、舞台と相手を考慮すれば貫禄を誇示。
ディープボンド栗東・大久保龍志厩舎 牡3

▲9月16日撮影
以前は前駆体形のマイラー色が濃いシルエットだったが、ひと夏を超して体高&体長が伸びてスカッとした姿形に変貌した。その分ストライドも大きくなり、スピード持続力は強化している。ダービー時同様、クビを内に傾けているが目つきは鋭く気性の強さはうかがいしれる。あばらをうっすらと見せてトモの丸みも十分。復帰戦から能力をきっちりと出せそうだ。
マイラプソディ栗東・友道康夫厩舎 牡3

▲9月16日撮影
皐月賞&ダービーは、目つきも穏やかで闘争心が薄れていたか。この中間は友道厩舎らしいメリハリのある調整過程。ここ2週はハードに追った効果か、皮膚感が薄くなってきたのは好材料だ。また春のように前重心になっておらず、トモの入りが良化している点も見逃せない。皮膚の薄い質感で好仕上がり。トモのボリュームと目つきの鋭さが出てくれば復活も。
マンオブスピリット栗東・斉藤崇史厩舎 牡3

▲9月16日撮影
春先は筋肉隆々でメリハリを欠くルーラーシップ産駒だったが、体高と体長が伸びてバランスは格段にアップしている。クビ差しが太く短く見えるのは、顔を内に傾けていることも多分に影響。立ち爪で破折気味の脚元から時計や上がりが掛かる舞台が合いそうだ。肩の角度やストライドから距離が延びていいタイプ。速い脚はないがスタミナ色の濃い中長距離で持ち味を発揮。