モズスーパーフレアと2つ目のGIタイトルを狙う松若騎手(C)netkeiba.com
類まれなるスピードで逃げ切り勝ちを収めてきたモズスーパーフレア。そのスピードは他の騎手も「体感してみたい」と言うほどです。春の高松宮記念でも序盤から豊富なスピードを見せて優勝。1位入線馬の降着による繰り上がりではありましたが、GI初制覇となった松若風馬騎手は「しっかり走ってくれたおかげです」と話します。今週末のスプリンターズSでもそのスピードに期待が寄せられるモズスーパーフレア。「なかなかこんな馬には巡り合えないって思います」と強い思い入れを持つ松若騎手に聞きました。
(取材・構成:大恵陽子)
※お忙しい中、電話取材にご協力いただき、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
馬なりで坂路50秒を切るスピード
――前走の北九州記念は牝馬ながら56.5kgを背負いましたが、さすがの2着でした。
松若風馬騎手(以下、松若騎手) 自分の競馬ができたので、重い斤量を背負いながらもしっかり頑張ってくれたと思います。
――アイビスサマーダッシュを勝ったジョーカナチャンよりダッシュが速かったですが、斤量の影響などはどうでしたか?
松若騎手 前半のダッシュ力にはそこまで影響はなかったです。スピードはホント、短距離界の中でも頭一つ抜けているなっていう自信がありました。テンにいいスピードを見せてくれましたし、自分の競馬をすることできたと思います。(斤量が)重かったぶん、最後に止まっちゃったかなって感じはしました。
――昨年のスプリンターズSも楽に先手を奪うと、ゴール直前まで粘って2着。GIのタイトルにあと一歩でした。
松若騎手 最後まで頑張ってくれたと思います。あの時はもう脚が上がっていたんですけど、最後に差されるまで「勝てるかな」って思っていたので悔しかったです。でも、モズスーパーフレアはしっかり走ってくれたと思うので、そんなに悔いの残るレースではなかったです。
――今度こそのGI制覇を狙った今春の高松宮記念では、最終追い切りの坂路で4F48.9秒という驚異のタイムを出しました。
松若騎手 調教ではやればやるだけ動く馬で、馬なりでも50秒を切ってくるんです。
――馬なりで! 調教の時点からしてスピードが違いますね。レースも持ち味を生かす逃げで、直線では後続に並ばれるとまた伸びましたね。
松若騎手 女の子ですけどすごく気が強くて、