
長距離王者を春秋連覇の舞台へ送り出す手塚貴久調教師(c)netkeiba.com
天皇賞・春連覇を果たし、GI・3勝目をあげた長距離王者フィエールマン。秋初戦は春秋連覇のかかる天皇賞・秋に出走します。予定していたオールカマーを熱発で回避、2年10ヶ月ぶりとなる東京コースとの相性、中距離への適性など気になるポイントの多い一戦を前に、管理する手塚貴久調教師にお話を伺いました。
(取材・文=佐々木祥恵)
※お忙しい中、電話取材にご協力いただき、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。
広い東京なら距離も大丈夫
――天皇賞・春を見事制しましたが、そのレース後からここまでの過程を教えてください。
手塚貴久調教師(以下手塚師) 天皇賞・春の後は1週間ほど厩舎で様子を見てから、ノーザンファーム天栄に放牧に出ました。疲れが残っていなければ宝塚記念という選択肢もありましたが、2週間ほど経過したあたりで疲れが残っている感じがぬぐえなかったので、無理せず回避をしました。夏はそのまま天栄で過ごして秋に備えました。

天皇賞・春連覇後は、秋に備える態勢に(写真は2019年天皇賞・春優勝時) (c)netkeiba.com
――秋はオールカマーから始動予定で美浦に帰厩しましたが、熱発で回避となりました。
手塚師 オールカマーで始動してジャパンCというのが当初の青写真で、そのつもりで調整していて体調もとても良かったのですけどね。それがレース当該週の追い切り前日に熱発しました。
翌日には熱は下がったのですけど、さすがに追い切りを消化できなかったので回避することになりました。その後については馬の様子を見て判断し直そうということで一旦放牧に出ました。
――長距離が得意の印象が強いですが、2000mの天皇賞・秋に矛先を変えてきましたね?