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【秋山稔樹騎手】「常に向上心を持ち続けていきたい!」新人騎手紹介(2)

  • 2020年11月03日(火) 18時02分
ノンフィクション

美浦・蛯名利弘厩舎所属の秋山稔樹騎手(撮影:筑波遼)


無観客開催という異例の事態でのデビューとなった4人の新人騎手。本来ならば、大歓声の中でのデビューを迎えるはずでしたが…。限定的ではあるものの、競馬場への入場が再開され、ファンの前で騎乗ができたのはつい最近のこと。ということで…遅くなってしまいましたが、本日から今年デビューの新人騎手を4日連続でご紹介します。本日ご紹介するのは、秋山稔樹騎手(美浦)です!

(取材・文=筑波遼)

――無観客競馬と有観客競馬の違いをどのように感じていますか?

秋山 お客さんの前でレースに騎乗したのは盛岡競馬場のヤングジョッキーズシリーズ(7月21日)が初めてでした。新鮮な感じでしたけど、やることは同じですしね。感覚的にも大きな違いはありませんでした。ヤジは飛ばされているのかもしれないけど、そんなに意識していません。人気になっていた馬で負けたときなどは言われても仕方ないのかと…。ネットの掲示板などにも厳しいことを書き込まれていたりしますよね(苦笑)。

――デビュー前とデビュー後で最も大きかったギャップは?

秋山 自分の中で考えていたのとは違うことが多かったですね。そこは実際に乗った人にしか分からないところだと思います。例えば馬群から外に持ち出すにしても馬との距離感や操作性の難しさを感じました。スタートしてからも思うような位置に行けない歯がゆさがあったり、自分の意思だけでは簡単に動かせないということを実感しましたね。

――デビュー時の自分と今の自分を比較して何か変化は感じている?

秋山 極端な話、デビュー前は調教にしてもプロ意識が低かったと思います。指示通りに乗れなかったときは(所属先の)蛯名先生(利弘調教師)からも「遊びでやっているんじゃないぞ。プロとしての意識が足りない」などと指導していただきました。デビューしてからは騎手としての自覚を少しずつ意識するようになりましたね。自分に依頼してくださった馬主さんや調教師の先生方、ファンの皆さんなど多くの方々に対して責任感を持って乗らなければいけないと思うようになりました。

――自分が騎乗された中で印象深いレースを理由と合わせて教えてください。

秋山 勿論、初勝利のレース(3月15日の中山1R=ラブエスポー)は印象に残っていますけどね。会心というか、それ以外ではヒナノコバンで勝たせてもらったレース(8月29日の札幌7R)が印象深いです。ブービー人気の未勝利馬で1勝クラスを勝つことができたんですけど、減量(▲3キロ減)の大きさを実感しましたし、いろんな意味で自信にもなりました。レース前に考えていたよりも前の位置で流れに乗れましたし、手応えが良かったので早めに動いていけたんだと思います。僕の気持ちに対して馬が反応してくれたし、2着馬が外から来ても抜かせなかった勝負根性に感動しました。6キロの斤量差も効いてはいるんですけど、最後まで頑張って競り勝ってくれたのが嬉しかったですね。

 逆に悔しかったのはファンシャンのHBC賞(8月9日の札幌10R)。アタマ差の2着だったんですけど、完全に自分のミスでした。

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