▲2020年デビューの4人を紹介する企画、最後の登場は泉谷楓真騎手 (撮影:桂伸也)
無観客開催という異例の事態でのデビューとなった4人の新人騎手。本来ならば、大歓声の中でのデビューを迎えるはずでしたが…。限定的ではあるものの、競馬場への入場が再開され、ファンの前で騎乗ができたのはつい最近のこと。ということで…遅くなってしまいましたが、今年デビューの新人騎手を4日連続でご紹介します。最後にご紹介するのは、栗東でたったひとりの新人、泉谷楓真騎手です!
(取材・文=不破由紀子)
海外の競馬番組でも取り上げられた珍事
──同期のなかではトップとなる15勝(10月25日終了時点)をマークしている泉谷騎手ですが、先月には落馬寸前からの再騎乗も話題になりましたね(10月3日・中京6R・バーゲニングパワー13着)。
泉谷 海外の競馬番組でも取り上げられたと聞きました(笑)。
──そうみたいですね(笑)。スタート直後のアクシデントでしたが、下りようか戻ろうか、やはり葛藤があった?
泉谷 馬という生き物は、人が乗っていなければ絶対に前の馬に突っ込んで行ったりしないと思うんです。
そう考えると、二次被害を避けるためにも、僕がぶら下がったままでいるより下りたほうがいいのかなと思ったのですが、真下に下りるしかない状況だったので、このまま下りたら巻き込まれるなと思って。あのときはけっこう冷静でしたね。
──冷静だったんですか!? すごい!
泉谷 よく落馬する瞬間はスローモーションになると言いますが、本当にそういう感じで。
──冷静に状況を判断しながら、「よし、戻ろう」と。
泉谷 はい。そんな感じでした。