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【エリザベス女王杯予想】あの人気馬がなんと「消し」評価!?

  • 2020年11月08日(日) 18時00分

■エリザベス女王杯(GI・阪神芝2200m内)フルゲート18頭


★3行でわかる! エリザベス女王杯 攻略の糸口

1.コースもレースも中穴狙いが面白い。極端な穴狙い禁物!
2.末脚のキレ味は大きな武器も、前走最速上がり馬は不振!
3.馬番01〜04番4歳以下馬継続騎乗組を重視の方向で!

データ特注推奨馬
 ★ラヴズオンリーユー
 ★サムシングジャスト

 阪神競馬場での開催で、データ的には事実上の新設レースとなる、今年のエリザベス女王杯。過去のデータなど何も信頼できない--といっても過言ではないが、そうも言っていられないので、無理やりアレコレと分析を行った。まずいえるのが、極端な穴狙いは避けるべきレース条件だということ。それなりに波乱傾向が強いコースだが、狙ってオイシイのは4〜6番人気あたりの「中穴」だ。

 そして、末脚のキレが超重要。直線の短い阪神の内回りコースに替わるので、中団追走から一気にギアを上げて加速するような瞬発力が要求される。後方からでは届かないので、中団より前のポジションが欲しいところ。そして、2〜3着には逃げ・先行勢が残るケースが多いと推測される。「差し→先行」決着を前提に、馬券を組み立てたい。

 ただし、前走で「最速上がり」をマークしていた馬の過信は禁物。前走での上がり3F順位は「2〜5位」であるのが望ましい。この条件をクリアしており、そして今回のコースに替わって最速上がりを出せる可能性のある馬。これが、阪神でのエリザベス女王杯で勝ち負けできる可能性が高い馬のパターンだ。

 それ以外では、内枠である馬番01〜04番が好内容であることや、4歳以下馬が5歳以上馬を圧倒していること、前走が自己条件〜GIIIだった馬が大不振であること、前走がふたケタ人気やふたケタ着順だった馬の巻き返しが期待できないこと、継続騎乗組のほうが信頼度が高いことなどが、レース攻略につながる重要なポイントといえる。

 データ特注推奨馬には、ラヴズオンリーユーサムシングジャストの2頭をあげておく。今年は「前走上がり順位2〜5位」に該当する馬が非常に少なく、エスポワール、サムシングジャスト、シャドウディーヴァ、ラヴズオンリーユーの4頭しかいない。そして、他のファクターでも多くのプラス評価を獲得したのが、この2頭なのだ。

【コース総論】阪神芝2200m内 Aコース使用

※今回は阪神芝2000m内と阪神芝2200m内の2コースを集計対象としています

・コースの要所!

★人気薄の活躍が目立つコース。7〜9番人気や10〜12番人気はかなり狙い目。
★枠番による成績差は小さいが内枠である馬番01〜04番は内容優秀で要注目。
★先行勢が優勢も、上がり最速馬は素晴らしい成績。決め脚の鋭さが超重要。





 阪神芝2200m内だけだとデータ母数が不足するので、今回は阪神芝2000m内も含めて分析を行っている。スタート位置は変わるが、どちらのコースもホームストレッチの坂下からのスタートで、好走するために求められる資質も大きくは変わらないはず。内回りで最後の直線が短いうえに急坂もあるので、紛れも起こりやすそうな印象を受ける。

 実際に人気別成績を見ても、波乱傾向の強さがうかがえる。1〜3番人気はなかなかの結果を残しているが、4〜6番人気はトータル連対率11.5%と、信頼度が大幅に低下。7〜9番人気のほうがはるかに勝率が高いという、逆転現象が起きている。10〜12番人気も馬券絡みはかなり多く、トータル複勝率11.5%、複勝回収値109と内容も優秀。穴狙いがしやすいコース条件といえそうだ。

 枠番による成績差は基本的には小さく、外枠に入った場合でも評価を割り引く必要はないはず。もっとも信頼度が高いのは内枠である馬番01〜04番で、こちらは回収値だけでなくギャップ値も超優秀だ。小回りだけに、距離損なく立ち回れるのは大きな強み。ここに入った馬に関しては、少しだけ評価を高くしておきたい。

【レース総論】エリザベス女王杯(GI) 京都過去10回

・レースの要所!

★中穴は強いが10番人気以下馬はトータル[0-1-0-82]と大不振。大荒れはない。
★馬番01〜04はやはり好内容。外枠の勝率が高いという傾向を覚えておきたい。
★脚質面はコースデータとまったく同じ傾向。最速上がりが出せる馬は要注目。
★4歳以下馬が圧倒的に強いレース。前走の「格」や結果に今回の成績が直結。










 今年は阪神芝2200m内での開催となるエリザベス女王杯。勝ち負けに要求される資質がまったく異なるコースなので、過去のレースデータはほとんどアテにならない。そういった理由もあり、いくつかの項目についてはエリザベス女王杯ではなく、「宝塚記念と大阪杯」のデータを掲載している。苦肉の策ではあるが、こちらのほうがまだデータとして有意であるはずだ。

 エリザベス女王杯の平均配当は、単勝840円、馬連4445円、3連複8535円と低めの水準。1番人気はわずか1勝と期待に応えられていないが、極端に荒れるケースはほとんどなく、チョイ荒れ程度の決着が多い。ふたケタ人気馬はトータル[0-1-0-82]と大不振で、買う価値ナシといっても過言ではないほど。好内容である4〜6番人気など、中穴重視の姿勢でいくのがよさそうだ。

 参考レースの枠番データには、ふたつの特徴がある。コースデータと同じく内枠である馬番01〜04番が好内容であること。そして、外枠に入った馬の勝率や単勝適正回収値が非常に高いことだ。複勝率で比較するとあまり差はないのだが、単純に内外を比べたデータにおいても、勝率差の大きさは目立つ。1着で狙うならば「外」、2〜3着に狙うならば「内」がベターという結論になるか。

 参考レースの脚質面は、逃げ・先行勢が優勢。ほとんどのレースで、4コーナーを5番手以内で回っていた馬が勝利している。ただし、上がり最速馬の強さは強烈で、連対率はなんと76.5%という高さ。「先行勢が強いが最速上がり馬もメチャクチャ強い」というのは、コースデータと完全に一致する傾向。最速上がりを出せる可能性がある馬は、先行勢以上に高く評価する必要がありそうだ。

 ただし、「前走で上がり最速」だった馬は取り扱い注意。エリザベス女王杯と参考レースの両方で、勝利数ゼロ&内容もイマイチという、意外な結果に終わっているのだ。前走での上がりは「2〜5位」だったが、コース替わりで今回は最速上がりを出せる──といったパターンを狙うのが、ここで儲けるためのセオリー。前走最速上がりの馬は人気になることも多いので、なおさら危なっかしい。

 エリザベス女王杯の年齢別成績では、4歳以下馬が5歳以上馬を圧倒。クロコスミアが5歳、6歳で連続2着と、5歳以上だからといって買えないわけではないが、これだけ成績差が大きいと積極的には狙いづらい。そして前走クラス別成績からは、前走で出走していたレースの「格」が重要という結論に。前走で自己条件〜GIIIに出走していたような馬では、ここでは通用しない。

 前走での低評価や大敗からの巻き返しがきかないのも、エリザベス女王杯の特徴。このレースと好相性の3歳馬であっても、前走がふたケタ人気だったミスニューヨークや、前走15着惨敗のウインマリリンは買えないということだ。騎手関連データでは外国人騎手が猛威をふるっているが、短期免許組がいない今年は例年同様にはいかない可能性も。騎手については、継続騎乗組の評価を少し上げる程度の扱いでいいと思われる。

【血統総論】


 血統面では、ディープインパクト産駒とハービンジャー産駒をプラス評価の対象とした。コース適性が飛び抜けて高い種牡馬は見当たらないが、これだけの出走数があって連対率26.3%をマークしているのだから、ディープインパクト産駒はやはりすごい。ギャップ値がプラス圏で信頼度も回収値も高いハービンジャー産駒も、コース適性はかなり高そうな印象を受ける。

★特別登録馬 総論×各論

 フルゲートを上回る19頭がエントリー。このまま回避馬が出なければ、カーロバンビーナが除外されての18頭で開催となる。昨年の覇者ラッキーライラックや、前哨戦を完勝したサラキア、捲土重来を期するラヴズオンリーユー、新潟牝馬Sを7馬身差で制したウラヌスチャームなど、なかなか面白いメンバーが顔を揃えた。馬券的にもかなり面白いレースになりそうな雰囲気である。

 現時点でのトップ評価は、ラヴズオンリーユー。勝ち星からは遠ざかっているが、その能力がトップクラスであるのは誰もが認めるところだ。昨年も勝ち馬から0秒2差の3着に好走しており、阪神替わりも問題なし。好位で流れに乗って最速級の上がりが出せるというのも、このレースの好走条件に合致している。このレースと非常に相性がいい、M.デムーロ騎手の継続騎乗も魅力的。デキもかなりよさそうだ。

 二番手評価に、「ひとケタ人気に推された場合の」サムシングジャスト。前走の府中牝馬Sでは後方からよく伸びて3着に好走と、なかなかの結果だった。実績的には格下で、相手関係が一気に強化されたここは楽ではないが、上昇度からも侮れない面アリ。内枠を引いて7〜9番人気あたりにでもなれば、なおさら面白い。

 ほとんど差のない三番手評価がシャドウディーヴァ。夏のクイーンSで4着、秋初戦の府中牝馬Sでは2着と好調で、ひと頃の不調から立ち直ってきた。こちらも買い材料の多さは目立っており、相手なりに走る傾向からも、2〜3着にくるケースは十分に考えられるはず。阪神実績と距離実績がない点が懸念材料だが、それでも狙ってみる価値は十分だ。

 以下はサラキア、ノームコア、エスポワール、ソフトフルート、センテリュオという評価の序列。昨年の覇者ラッキーライラックは「その次」で、プラス評価となった項目は意外なほど少ない。危険な人気馬となる可能性もありそうなので、直前の気配次第では、思いきって消し勝負もアリだろう。ラヴズオンリーユーからチョイ荒れを狙うというのが、現時点でのオススメの買い方である。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



デキた!と思ったところを差された(#^ω^)ビキビキ

09アーモンドアイの快挙達成は文句なしに素晴らしいですが、あんな位置から僅差2着まで差を詰めたんだから、06フィエールマンも文句なしに強い。07クロノジェネシスも、もっとスムーズに乗れていれば...と思っちゃうヨネ。上位に評価した3頭でキッチリ決まっているというのに、それでもコラム馬券は当たらんのかッ(吐血)。

※コース&血統データは2015年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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