3日間開催となった先週は、人気馬の騎乗が多かったものの、残念ながら勝利をつかむことはできず。「もうひとつ結果を出せんかったねぇ」と肩を落とす小牧騎手ですが、それぞれ力のある馬だけに、次を見据えてじっくりと敗因を分析してくれました。(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
それぞれ力のある馬、次を見据えてじっくり回顧
──小牧さんにとって3年ぶりの東京遠征でしたが、残念ながらキーフラッシュ(11月23日・東京10R・晩秋S)は12着。
小牧 僕としては、思った通りのレースができたんやけどねぇ。勝った馬(ヒロイックテイル)が逃げるのはわかっていたから、最初から番手を狙っていて、その通りのポジションが取れて。ただね、1、2コーナーで珍しく引っ掛かったわ。4回続けて乗ってきて、あんなことは初めてやった。
──レース前の様子はいつも通りだったのですか?
小牧 いや、確かにいつもよりピリッとはしてたんやけど、むしろプラスに考えてたわ。掛かったのは、インで少し窮屈な競馬になったのが影響したのかもしれんね。少なくとも、僕が乗ってからは馬混みも全然へっちゃらやったけど、以前にもああいう(引っ掛かる)ことがあったらしいから。それにしても、4コーナー手前の時点でまったく手応えがなくなってしまってね。なんやずっと怖がっているような感じやった。
──前の週に除外になったことも影響しているのでは?
小牧 ああ、それもあると思う。厩務員さんとも「除外が響いたかもね」って話してたんやわ。目標を定めて調整している馬にとって、1週間延びるのは大きいからね。勝つつもりで東京に行ったから、ホンマに残念やった。ただ、力負けじゃないからね。次に期待やね。
──レース後は真っ直ぐ関西に帰ってきたんですか?
小牧 いや、今もまだ千葉にいるねん。せっかくやから、(千葉の牧場で働いている)息子に会いにきてね。昨夜は息子の勝ち祝いで、息子にステーキを奢ってもらったわ。
──あ、加矢太くん、馬術の大会で優勝したんですよね!おめでとうございます(第72回全日本障害馬術大会2020 Part1において、メインの全日本障害飛越選手権で優勝し、今年の日本一に)。
小牧 ありがとう。これで僕が結果を出せれば最高やったけど、久々に息子に会えてよかったわ。こういう時間が持てたのも、キーフラッシュのおかげやね。
──続いては、日曜日のタガノウィリアム(阪神8R・3歳上1勝クラス・ダ1800m・2番人気5着)。気持ちよく逃げているように見えましたが、4コーナーで早めにこられて…。
小牧 レースのあと、石橋脩くん(メイショウドヒョウ3着)が「早めに行っちゃってすみませんでした」って謝りにきたけど、それも作戦なんやから謝ることないのにね。まぁ昨日も一緒のレース(晩秋S)に乗っていたから(石橋脩騎手はテトラルキアで3着)、冗談で「早めにくるなよ」って言うたったけど(笑)。
──そうでしたか(笑)。
小牧 うん。タガノウィリアムは、ちょっと気が難しいところあって、今回も4コーナーで馬が引っ付きにきたら、頭を上げて止まる気配があったね。
──確かに4コーナーで一瞬、頭を上げる仕草をしていましたね。
小牧 そうやねん。
──でも、早めにこられた割には、直線でバタッと止まることなく、最後まで踏ん張っていましたよね。4コーナーでああいう形になると、逃げ馬は惨敗するケースも多いと思うのですが。
小牧 そうやね。でも、タガノウィリアムは、直線に向いてもうひと伸びしたんでね。しぶといなと思った。休み明けでちょっと力んでいたし、次はもっとよくなるはず。すぐにチャンスはくると思うよ。あと、ミスターウインディ(11月21日・阪神12R・3歳上1勝クラス・ダ1200m・14着)も残念やったなぁ。前にも話したけど、ちょっとノドに弱いところがある馬で、気候とかに影響されるのかもしれん。
──なるほど。時期的に乾燥していますからね。
小牧 うん。追い切りでもね、ゴール前でピタッと止まったりすることがあって、この前も直線の真ん中で急に失速してしまったから。ただ、力があるのはわかっているからね。悲観する必要はないと思ってる。今週も2場開催やから頭数は少ないと思うけど、アサカディスタンスが使う予定やし、なんとか結果を出せるように頑張りますわ。