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キーフラッシュのおかげで息子に会えました

  • 2020年11月24日(火) 18時01分
3日間開催となった先週は、人気馬の騎乗が多かったものの、残念ながら勝利をつかむことはできず。「もうひとつ結果を出せんかったねぇ」と肩を落とす小牧騎手ですが、それぞれ力のある馬だけに、次を見据えてじっくりと敗因を分析してくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

それぞれ力のある馬、次を見据えてじっくり回顧


──小牧さんにとって3年ぶりの東京遠征でしたが、残念ながらキーフラッシュ(11月23日・東京10R・晩秋S)は12着。

小牧 僕としては、思った通りのレースができたんやけどねぇ。勝った馬(ヒロイックテイル)が逃げるのはわかっていたから、最初から番手を狙っていて、その通りのポジションが取れて。ただね、1、2コーナーで珍しく引っ掛かったわ。4回続けて乗ってきて、あんなことは初めてやった。

──レース前の様子はいつも通りだったのですか?

小牧 いや、確かにいつもよりピリッとはしてたんやけど、むしろプラスに考えてたわ。掛かったのは、インで少し窮屈な競馬になったのが影響したのかもしれんね。少なくとも、僕が乗ってからは馬混みも全然へっちゃらやったけど、以前にもああいう(引っ掛かる)ことがあったらしいから。それにしても、4コーナー手前の時点でまったく手応えがなくなってしまってね。なんやずっと怖がっているような感じやった。

──前の週に除外になったことも影響しているのでは?

小牧 ああ、それもあると思う。厩務員さんとも「除外が響いたかもね」って話してたんやわ。目標を定めて調整している馬にとって、1週間延びるのは大きいからね。勝つつもりで東京に行ったから、ホンマに残念やった。ただ、力負けじゃないからね。次に期待やね。

──レース後は真っ直ぐ関西に帰ってきたんですか?

小牧 いや、今もまだ千葉にいるねん。せっかくやから、(千葉の牧場で働いている)息子に会いにきてね。昨夜は息子の勝ち祝いで、息子にステーキを奢ってもらったわ。

──あ、加矢太くん、馬術の大会で優勝したんですよね!おめでとうございます(第72回全日本障害馬術大会2020 Part1において、メインの全日本障害飛越選手権で優勝し、今年の日本一に)。

小牧 ありがとう。これで僕が結果を出せれば最高やったけど、久々に息子に会えてよかったわ。こういう時間が持てたのも、キーフラッシュのおかげやね。

──続いては、日曜日のタガノウィリアム(阪神8R・3歳上1勝クラス・ダ1800m・2番人気5着)。気持ちよく逃げているように見えましたが、4コーナーで早めにこられて…。

小牧 レースのあと、石橋脩くん(メイショウドヒョウ3着)が「早めに行っちゃってすみませんでした」って謝りにきたけど、それも作戦なんやから謝ることないのにね。まぁ昨日も一緒のレース(晩秋S)に乗っていたから(石橋脩騎手はテトラルキアで3着)、冗談で「早めにくるなよ」って言うたったけど(笑)。

──そうでしたか(笑)。

小牧 うん。タガノウィリアムは、ちょっと気が難しいところあって、今回も4コーナーで馬が引っ付きにきたら、頭を上げて止まる気配があったね。

──確かに4コーナーで一瞬、頭を上げる仕草をしていましたね。

小牧 そうやねん。

──でも、早めにこられた割には、直線でバタッと止まることなく、最後まで踏ん張っていましたよね。4コーナーでああいう形になると、逃げ馬は惨敗するケースも多いと思うのですが。

小牧 そうやね。でも、タガノウィリアムは、直線に向いてもうひと伸びしたんでね。しぶといなと思った。休み明けでちょっと力んでいたし、次はもっとよくなるはず。すぐにチャンスはくると思うよ。あと、ミスターウインディ(11月21日・阪神12R・3歳上1勝クラス・ダ1200m・14着)も残念やったなぁ。前にも話したけど、ちょっとノドに弱いところがある馬で、気候とかに影響されるのかもしれん。

──なるほど。時期的に乾燥していますからね。

小牧 うん。追い切りでもね、ゴール前でピタッと止まったりすることがあって、この前も直線の真ん中で急に失速してしまったから。ただ、力があるのはわかっているからね。悲観する必要はないと思ってる。今週も2場開催やから頭数は少ないと思うけど、アサカディスタンスが使う予定やし、なんとか結果を出せるように頑張りますわ。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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