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【中日新聞杯予想】世代交代が加速する師走のハンデ重賞

  • 2020年12月11日(金) 18時00分
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現4歳世代のエリート 再び王道路線に返り咲けるか


 フルゲート18頭のうち、過半数の11頭までがハンデ56キロ以上(55キロの牝馬サトノガーネットは実質57キロ、54キロの牝馬シゲルピンクダイヤは56キロに相当)。GIIIのハンデ重賞とすれば珍しい粒ぞろいの組み合わせになった。

 12月に戻ったのは2017年からここ3回だが、2000年-2011年も12月に施行されている。この3年と、同じ2000mのハンデ戦として行われた2006年-2011年の計9回をヒントにすると、世代交代の進んでいる12月らしく、馬券に関係した計27頭のうち、「3-4歳馬」が22頭までを占める(勝ち馬9頭はすべて)。「5歳以上馬」で馬券に絡んだのは、2-3着馬合わせて5頭だけという極端な記録がある。

 あくまで9回のこと。ありがちな傾向程度にすぎないが、今年、実質56キロ以上のハンデを課せられた11頭のうち、8頭までが「5歳以上馬」であり、ここまで好成績を残す3-4歳馬は非常に少ない。

 トップハンデタイの57キロだが、入念に乗って立て直してきた4歳牡馬ヴェロックス(父ジャスタウェイ)から入りたい。昨年末、リスグラシューの楽勝した有馬記念は8着にとどまり(とはいえ、レイデオロとは少差。沈んだアーモンドアイ、スワーヴリチャードには先着)、その疲れがあったと思える小倉大賞典は9着に終わったが、その2戦の前まで、皐月賞2着、日本ダービー3着など【3-3-2-1】。現4歳世代のトップグループだった。

 ハーツクライ系の活躍馬が3歳後半は案外の成績に終わり、4歳になって再び成長カーブを描くのは良くあること。父ジャスタウェイがその典型。ヴェロックスは新馬戦を8馬身差で独走したようにポン駆けは利く。3週連続して長めから追って十分に好仕上がりを物語る動きだった。

 母セルキスSelkis(父Monsunモンズン)は、独2000mのG2勝ち馬。母の頭文字が示すドイツの名牝系で、ヴェロックスから数えて8代母がSchwarzgoldシュヴァルツゴルト(1937、GER)。日本では、マンハッタンカフェ、ブエナビスタ、サリオス、ソウルスターリング、ザグレブ…などが属する大きなファミリーの牝祖として知られる。

 4歳ヴェロックスから、相変わらず攻め馬は動く4歳ボッケリーニ、5歳グロンディオーズ本線に、上位拮抗なので少し手広くいきたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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