▲地方競馬通算1000勝を達成した笹川翼騎手(撮影:高橋正和)
11月19日に地方競馬通算1000勝を達成した笹川翼騎手に特別インタビューを敢行! TCK所属騎手としては最速の記録達成となり、驚異的なスピードで勝ち星を量産中。好調の秘訣に迫ります。
また以前は、netkeibaでもコラムを担当されていた笹川騎手。連載当時は「2着病」を課題に挙げており、その心境に変化はあったのか!? コラムの最後には1000勝記念グッズのプレゼントも!
(構成=赤見千尋)
南関東にいる以上リーディングを獲りたい
――地方競馬通算1000勝達成、おめでとうございます。
笹川翼騎手(以下、笹川) ありがとうございます。本当に周りの皆さんのお陰です。目の前のことに必死で、ただただ一生懸命やっていたという想いですが、その都度、自分なりに馬や人に向き合って来たことが勝ち星に繋がったのかなと。
あと怪我をしなかったのは大きいですよね。骨折したことがないので、そこだけは自分で自分のことすごいなと思います(笑)。こればっかりは運もあると思うので、これからもお墓参りとかはしっかり行きたいなと思っています。
――2018年3月に500勝を達成して、そこから2年8か月での1000勝達成です。
笹川 短期間にたくさん勝たせていただいて、とてもありがたいです。ただこの数字は通過点というか、自分の中では今までがあっという間過ぎて、目標という数字ではなかったですし、ここまで来られたことが早かった分、これからも頑張らないと恥ずかしいなと思っています。
▲11月19日大井12R、ピュアオーシャンとの勝利が通算1000勝目となった(撮影:高橋正和)
――大井最速、地方競馬全体でも岩田康誠騎手に次ぐ(1973年4月以降)2番目の早さで1000勝を達成。まだ26歳でこの数字ですから、大井の偉大な先輩・的場文男騎手の記録は意識されますか?
笹川 的場さんの記録はもうすごすぎて、全然意識はしていないです。今はまったく想像出来ないというか、的場さんの年齢まで元気でやっているとは限らないですし、すべてが上手く行くとは思っていないので。ただ、周りの方からそう言われること自体は嬉しいですし、光栄ですね。
――今目指すのはどこでしょうか?
笹川 南関東にいる以上は、リーディングを獲りたいです。でもまだまだ技術的にも成長しないといけないですし、上の人もいますし、先輩後輩にもライバルはたくさんいますから。
今こうしていいリズムで勝たせていただいていますけど、油断出来ないですし、常に向上心を持って挑まないと足元をすくわれる世界なので、気を引き締めていきたいです。
――それでも、デビューから順調に階段を駆け上がっていますよね。
笹川 とてもいい環境でやらせていただいて、本当に恵まれているなと。ただ自分なりには苦労したこともたくさんありますし、今はあまりないですけど、デビュー2、3年目の頃は精神的にキツかったですね。
たくさん勝たせていただいて、逆にそれがプレッシャーになったというか。周りから求められるものが大きすぎて、気持ちの持ちようみたいな部分が難しかったです。たくさん乗せていただいて、経験を積んで、今は精神的に強くなれたと思います。
――netkeibaでは2017年4月から2018年3月までの一年間、
『ギャロップ翼』というコラムを連載していただきました。当時は勝ち星よりも2着が多く、「2着病を克服することが課題」だと仰っていましたが、見事克服されましたね。
笹川 いろいろな先輩から助言をいただいて、技術的なことはもちろんですけど、一番はやっぱり精神的なものが大きいと思います。例えば2着でも