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年を重ねても常に“チャレンジャー”の気持ちで「勝たなアカン!」

  • 2020年12月15日(火) 18時01分
ニホンピロマリブで挑んだエリカ賞は4着。「勝ちたかった、ホンマに」と静かに振り返ってくれた小牧騎手ですが、直線でまだ幼さを見せてのコンマ1秒差だけに、「やっぱり走る。伸びしろがある」と能力を再確認した様子。今回の『太論』はレース回顧のほか、ユーザー質問に答える形で「新庄剛志氏のトライアウト挑戦」について、大いに語ります!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

何を言われようが、続けたいのは自分──頑張ります!


──エリカ賞(12月12日・阪神9R・2歳1勝クラス・芝2000m)のニホンピロマリブは際どい4着。今回もゴール前はいい脚を見せましたが…。

小牧 この前は自分のミスで負けたんでね。今回こそは、なんとか結果を求めて…。わずかに届かんかった。勝ちたかった、ホンマに。

──少頭数の大外枠でしたが、どんな競馬をイメージして臨まれましたか?

小牧 前に行ってもいいかなという気持ちもあったんやけど、前回と違って、すごく馬が落ち着いていてね。追い切りの状態もすごくよかったんですわ。だから、位置取り云々というより、とにかく自信を持って乗っていこうと思ってました。

──折り合いも付いて、道中はすごく気持ちよく走っているように見えました。

小牧 うん。ペースは落ちたんやけど、上手いこと運べた。ただ、前の馬のペースになってしまったね。直線では、ちょっと逃げ腰で走っていたりして。

──逃げ腰とは?

小牧 横の馬を気にしながら走ってた。4コーナーでもちょっと外にモタれる面を見せたり、フワッとするようなところもあった。だからビッシリいったんやけど、そのぶん次は一段と動くんじゃないかと思う。やっぱり走るし、伸びしろがあるわ。改めて思った。

──ゴール前で、もう一段階ギアが入ったような瞬間もありましたね。

小牧 うん。もう必死やったで、僕も。ただ、最後の最後に後ろの馬にかわされたのがね、あれが悔しかった。

──とはいえ、メンバーが揃ったなかで、まったく引けを取らない走り。だからこそ、次のステージに進みたいところで。

小牧 本当にそうです。そのためには、勝たんことには…。メンバー的に、そう甘くはないだろうとは思っていたんやけど、やっぱりなんとしても勝ちたかったね。ここで結果を出さんかったら、申し訳ないなと思っていたから。

──具体的には、どんな伸びしろを感じましたか?

小牧 直線でもうちょっとね、グッと受けてくれたらいいんやけどなぁと思って。そしたらもっと伸びるような気がするから。厩舎の人とも「いいメンバーやったし、やっぱり走るね」っていう話をしたんです。期待は大きいし、このまま順調に行ってほしいね。

──9カ月ぶりの実戦となったドルチェリア(12月12日・阪神8R・3歳上2勝クラス・ダ1800m)は8着。

小牧 久々のぶんやね。直線でいつもの伸びが見られなかった。休み明けで、ちょっと太かったです。

──プラス12キロでしたね。とはいえ、道中の行きっぷりもよくて、いかにも次は変わってきそうだなという競馬だったかと。

小牧 そうそう、スタートもよくてね、理想通りの競馬はできた。もうちょっと絞れてきたら、変わってくると思うわ。あと、日曜日のキッズアガチャー(阪神10R・堺S・ダ1800m)。あの馬は走りそうやで。この前はちょっと内枠がこたえたけど、少なくともあのクラスではチャンスがあると思う。ズブい面があって、僕に合いそうなタイプですわ。初めて乗せてもらったけど、できればもう一度乗せてほしいね。

──では、質問をひとつ。「新庄剛志さんがトライアウトに挑戦しました。結果はわかりませんが(12月14日に現役復帰を断念すると表明)、小牧さんはこの挑戦をどう思いましたか?」。

小牧 どこか手を挙げてくれたらいいなと思って応援してたよ。でも、世の中やっぱり甘くないわ。挑戦したこと自体は、そりゃあすごいことでしょう。ただやっぱり、年齢的にすんなりとは…。新庄ほどの実力があっても、スポーツの世界ではいろいろ難しいんだろうなとは思う。僕も「年取ったジョッキー」って思われてるやろうからね。スポーツ選手である以上、仕方がないことやと思っているし、そう思われたくなかったら、やっぱり結果を出さなアカンねん。でも、それが難しい。ジョッキーだけではなく、スポーツの世界はどこもそう。サッカーのカズ(三浦知良選手)だって、なかなか思うような活躍はできへん。

──やはり、同年代のアスリートの動向や活躍は気になりますか?

小牧 うん。同じ気持ちなんかなぁとか想像したりしてね。福留も気になってた。あれだけ活躍していても、切られてしまうんやからねぇ。まぁ、いろんなことを乗り越えてこそ頑張れるんやろうけど、ある程度「しょうがない」っていう気持ちも持たなアカンなとは思ってる。「なんで、どうして」ばかり思っていたら、心がもたん(苦笑)。だから、常にチャレンジャーの気持ちでね、自分の身に起こることを受け止めるようにして。何を言われようが、結局続けたいのは自分やからね。なんせ勝たなアカン。「頑張りますから、応援してください!」って、改めて書いておいて。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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