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新年初騎乗は特別な一戦「心のなかで感謝しながら乗りました」

  • 2021年01月13日(水) 18時01分
数十年ぶりの貴重な寝正月で、がっつりパワーチャージした小牧騎手。2021年の騎乗は、お手馬キングレイスターからスタートしました。結果は11着に終わったものの、実はこの一戦には特別な思いが…。先週の競馬と合わせ、年明けの注目レースをじっくりと回顧。新年最初の『太論』、今年もどうぞよろしくお願いいたします!(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

勝つと涙を流して喜んでくれる馬主さんやった…


──小牧さん、明けましておめでとうございます!

小牧 おめでとうございます。

──今年もどうぞよろしくお願いいたします。さっそくですが、貴重だとお話されていたご家族水入らずの年末年始はいかがでしたか?

小牧 予定通り、ずーっと家にいたわ。毎年行っていた多田神社にも行かんかったしね。落ち着いたら行こうと思ってたんやけど、明日から関西にも緊急事態宣言が出るでしょう。この感じでは当分行けんね。

──競馬場もまた無観客に逆戻りですものね。さて、新年一発目の騎乗は、1月5日の中京8R(4歳上2勝クラス・ダ1900m)、キングレイスターでした(11番人気11着)。

小牧 ちょっと太かったのもあったけど(プラス12キロ)、出遅れてしまったのがね…。キングレイスターの馬主さんは、園田時代からずっと乗せてもらってきた馬主さんでね。この前、亡くなりはったんですわ。たぶん「伊藤正男さん」の名前で所有馬が出走するのは、この前のキングレイスターが最後やと思う。本当にお世話になったからね…。園田時代からずっとやから、もう何十年や。

──そうでしたか。力が入った一戦でしたね。

小牧 うん。勝ったときは、いつも涙を流して喜んでくれる馬主さんやってん。ホンマに喜んでくれてねぇ。そんなことを思い出しながら、心のなかで感謝しながら乗りました。結果は残念やったけど、絞れてきたらもっといい競馬ができると思う。次も乗せてもらえるみたいやから、ロスのない競馬で一発を狙いたいね。

──小牧さんの思いも含めて、これからも注目していきたいです。さて、先週は土曜日と月曜日の中京で4鞍に騎乗。ドルチェリア(1月9日・中京10R・濃尾特別・ダ1800m)は3番人気、タガノウィリアム(1月11日・中京8R・4歳上1勝クラス・ダ1800m)は2番人気と評価を集めましたが、残念ながら前者は4着、後者は6着に終わりました。

小牧 ちょっと残念やったねぇ。ドルチェリアはこれまでと同じで、末がちょっと甘くなった。3着はほしかったんやけどなぁ。あれだけ手応えがいいのに、どうしても最後の最後に甘くなってしまう。

──間違いなく上位にくる力はあるのに、勝ち切るのが難しそうな馬ですよね。

小牧 そうやね。でも、ここ最近では次が一番いいんじゃないかな。前回は休み明けで太かったけど、一度叩いた今回はしっかり変わってきてくれたからね。次はもっといいと思う。

──好位で競馬をすることが多い馬ですが、もどかしさを払しょくするために、ちょっと戦法を変えてみようかなという考えはありますか?

小牧 ん〜、ハナに行くタイプでもないしねぇ。まぁ怖がりな面があるから、ハナに行ったら強いかもしれんけど。この前は馬混みでの競馬やったから、次はもっと気持ちよく走らせてみますわ。

──ハナといえば、タガノウィリアムはリズムよく逃げているように見えましたが、踏ん張り切れませんでしたね。

小牧 競馬だから仕方がないけど、思ったより早く絡まれたね(苦笑)。とにかく5着を逃したのが痛い。次に確実に使うのが難しくなってしまったから。

──5着までに入れば、優先出走権が得られますものね。

小牧 そうやねん。だから、ゴール前はホンマに必死やった。

── 一度かわされたフラッグアドミラル(7着)を差し返しての6着でしたね。時期的に難しいのかもしれませんが、馬体的にももうひと絞りほしいところでしょうか。

小牧 そうやねんけど、厩舎の人も「なかなか絞れん」て言うとったわ。時期的なものもあるけど、それだけ馬自身の体調もいいんでしょう。小倉の1700mはいいと思うから、小倉で改めて頑張りたいね。

──さて、今週の見どころといえば、やはりニホンピロマリブ(1月17日・中京9R・梅花賞・芝2200m)。

小牧 うん。今度こそ、なんとかせなね。

──力が入りますね。

小牧 頑張りますわ。先週の金曜日に追い切りに乗ったけど、すごくよかったよ。ホンマにいい動きやった。2200mも大丈夫やと思うし、あとは人間が平常心を心がけて。レースでは、馬を信じて乗っていこうと思ってます。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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