昨年、チュウワウィザードと久々のGI制覇を果たした戸崎圭太騎手(撮影:藤井真俊)
一昨年に負った右肘開放骨折による休養から、昨年の5月23日に復帰を果たした戸崎圭太(40=美浦・田島)。最終的に2020年はJRA56勝を挙げ、12月のチャンピオンズCではチュウワウィザードとのコンビで久々のGI制覇を果たした。昨年の総括や現在のコンディション、今年の抱負など話を聞いた。
(取材・文=東京スポーツ・藤井真俊)
復帰後初の重賞勝利に「まだ騎手としてやっていけるな」
――昨年は約7か月の稼働で56勝。12月にはGIレースも勝ちました。改めて振り返ってみて、率直な感想は?
戸崎 復帰当初は騎乗数の制限をしつつ、徐々に元通りに…という流れでした。そういう中で関係者の皆さんにたくさん乗せて頂いて、馬たちも頑張ってくれた結果がこの数字かなと思います。そして最後の12月には大きなプレゼントを頂くことができました(笑)。
――気になる負傷個所の具合はいかがですか? 復帰当初はまだ完璧ではないようでしたが。
戸崎 レースにおいては昨夏の福島開催の頃には違和感なく乗れるようになっていました。ただ正直、まだ右手の握力が完全ではないんですよね。パワー不足というか、握り込めないというか…。
――え? まだ治りきっていないんですか?
戸崎 ええ。馬に乗るぶんには不自由はないのですが、数値を計るとまだ足りない。どうも握力というのは取り戻すのに時間がかかるらしいんです。まぁ気長にやっていきますよ。
――8月にはサトノアーサーでGIII関屋記念を優勝。これが復帰後の初重賞制覇でした。
戸崎 うれしかったですね。平場の1勝ももちろんうれしいけど、やはり重賞ともなるとたくさんの方が喜んでくださいますから。レース後には久々にテレビの勝利者インタビューも受けて、「まだ騎手としてやっていけるな」と自信につながった1勝でした。
感激の1勝 12月の“大きなプレゼント”
――そして12月のチャンピオンズCでは、先ほど「大きなプレゼント」とおっしゃっていたGI制覇。まずはチュウワウィザードの騎乗依頼を受けた時の気持ちを聞かせてください。
戸崎 ずっとGIでいいレースを続けていた馬でしたからね。チャンスのある馬の依頼を頂けて、気持ちが盛り上がりました。
2020年チャンピオンズC(C)netkeiba.com
――チュウワウィザードには3歳時(麒麟山特別)に1度乗って勝っていたんですよね。
戸崎 結構厳しい競馬だったんですよ。ゴチャつく場面があったんですが、狭いところから伸びてきて…