JRA賞の表彰式が先日、都内のホテルで行われました。年度代表馬ディープインパクト陣営を中心に、去年活躍したホースマンの晴れやかな表情の中で、久しぶりに橋口調教師のエビス顔を拝見できました。
ハーツクライの有馬記念で見せた脅威の進化ぶりは、一体どこからきたものか、調教パートナーの鎌田祐一さんに聞いてみました。
それによると、ダービー2着後のしばらくの期間は本来の調子になく、ずっと苦しい日々だったそうです。それが、去年の秋になって体調が良くなり、あれだけ激走したジャパンCのあとも、上昇カーブを描いていたということです。
側にいらした橋口さんも、マスコミの皆さんに調子の良さを一生懸命伝えたんですよと語っていました。とにかく、調教師というのは、馬の調子のいいときには話したくて仕方がないものなのだそうで、相手が無敵の三冠馬で、しかもあれだけ期待されているムードの中、本当に勝てるかどうか分からないにしろ、3cmの差で負けたジャパンCの悔しさを晴らしたいという思いが強かったと、その時をふり返っていました。
それでも御二人共、有馬記念の戦い方にはびっくりしたと、あの先行策があくまでも騎手の判断であったと、ヨーロッパの騎手の本能がそうさせたのだろうと口を揃えていました。橋口さんは、3番手にいるんでどうなるんだろうと見ていたそうです。
それでも、本当に強い馬ならああいうレースもできるもので、ハーツクライがそうした強豪たる資格があるということを強調していました。ステイヤーなのかという問いには鎌田さんは、一番力が出せるのは2400m前後だと言っています。騎手もそう言っていたそうです。
ディープインパクト一色から、これに対抗するものが登場したという実感を得たパーティーの夜でした。