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同世代がまたひとり 今月末に引退する蛯名正義騎手のこと

  • 2021年02月23日(火) 18時01分
今週の『太論』は、先週のレース回顧&ユーザー質問の2本立て。先週「期待している」と話していたニホンピロランドは6着に終わりましたが、長休明け&昇級初戦だったこともあり、十分な手応えを得たようです。また、質問に答える形で、今週末に鞭を置く蛯名正義騎手の印象や、「男が憧れる男」について実名を披露。最後には、持続化給付金不正受給疑惑についても、個人的な思いを明かしてくれました。(取材・文:不破由妃子)

※このインタビューは電話取材で実施しました。

同世代が辞めていくのは寂しいもんやね


──先週は、土曜日の阪神7R(4歳上1勝クラス・芝1600m)に出走したハローキャンディがいい脚を見せましたね(9番人気4着)。

小牧 やっぱり距離が短くなって、本来のよさが出たね(前走は芝2200mで10着)。でも、ちょっと忙しい感じもしたから、1800mくらいのほうがいいんちゃうかなと思った。

──直線でちょっと立ち上がるようなシーンもありましたが。

小牧 うん。不利とか狭くなったとかではなくて、馬が躓いてしまった。で、ちょっと立て直したような感じで。今は馬場が悪いからね。でも、頑張ってくれたし、能力的には十分楽しみがある。1800mでどういう走りができるのか、自分の感覚で確かめてみたいね。

──続いては、先週のコラムで「すごくよくなっている」とおっしゃっていたニホンピロランド(8番人気6着)。最後は狭いところから伸びてきましたね。

小牧 惜しかったねぇ。直線で行くところがなかった。もう少し早く外に出すことができていれば、もっと際どかったね。

──7月に1勝クラスを勝ち上がったときは、「苦手な芝スタートでリズムに乗れなくて、逆に折り合いがついた」とおっしゃっていました。今回は普通にダートスタートでしたが、折り合いはいかがでしたか?

小牧 いい感じで、持ったままついていけたよ。やっぱり短いところがいいね。1400mより1200mやな。体も増えていたけど(プラス12キロ)、全然問題なかった。2勝クラスでも十分やっていけるね。次はもっとやれますわ。楽しみです。

──では、ユーザーからの質問です。「蛯名正義騎手が、ついに引退となります。所属は東西でわかれていますが、小牧騎手とは同世代ですよね(小牧騎手が1967年9月生まれ、蛯名騎手が1969年3月生まれ)。何か思い出があれば教えてください」。

小牧 同世代がひとり、またひとりと辞めていくのは、やっぱり寂しいもんやね。蛯名くんはね、あんまりちゃんと話したことはないんやけど、僕に対してはものすごく謙虚に接してくれましたわ。すごく腰が低くて、僕を立ててくれている感じがあった。そんなん気にしなくてもいいのになぁと思うくらいにね。そんな印象があります。

──続いては、「小牧騎手は同性で憧れの存在はいますか? ジョッキー仲間でも俳優さんでもいいです。小牧騎手がどんな男性をかっこいいと思うのか知りたいです」。

小牧 やっぱり武豊でしょう。ここでも何度も話しているけど、それは昔から変わらんね。

──50代になった武豊さんも、やはりかっこいい?

小牧 「まぁまぁやね」って書いといて(笑)。50代になっても乗っている姿は美しいし、相変わらず大きな期待を背負って乗っているわけで。気持ち的にしんどいやろうなぁと思うこともあるけど、なんせ存在そのものがレジェンドやから。まぁ、話をするときは、お互いに冗談しか言わへんけど(笑)。飲みにも行きたいし、もっと話したいと思うんやけど、コロナ禍の今は話しかけることも気を遣うから、なかなかね。芸能人やったら、菅田将暉が好きやなぁ。息子のような年齢やけど、歌も演技も上手いし、テレビで観ている限り、人間的にも魅力的な人やなぁと思うわ。

──そういえば、菅田将暉さんの「まちがいさがし」は、小牧さんの十八番。

小牧 十八番じゃないで。なんせキーが高い…(苦笑)。

──話は変わりますが、持続化給付金の不正受給疑惑の件、大変なことになっていますね。こういうことで競馬界が注目を集めてしまうのは、なんだか悲しいです。

小牧 ホンマやね。ずいぶん前から噂はあったらしいんやけど、僕ね、全然知らんかったんですわ。今回騒ぎになって、ようやく知った。僕、そういうの疎いからね。助手さんや厩務員さんの事情はようわからんし、立場も違うから勝手なことは言えんけど、コロナでみんなが大変な思いをしているときにずっと開催を続けられたことを考えたら、僕はむしろ寄付をする側やと思ってるよ。
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太論 / 小牧太
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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