▲戸崎騎手とビュイック騎手と (撮影:平松さとし)
2月20日のリヤドダートスプリントに、ジャスティン(牡5、栗東・矢作芳人厩舎)と挑んだ坂井瑠星騎手。戸崎騎手騎乗のピンクカメハメハのサウジダービー勝利を見届けて、いざレースへ! しかし、思いがけない出来事でジャスティンのスイッチが入ってしまい。悔しさをにじませながらレースを振り返ると共に、気持ちを切り替えて、次戦のドバイへの意気込みを語ります。
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苦手なPCR検査をたくさん受けた菜七子騎手、総合4位に!
netkeibaをご覧のみなさん、こんにちは。坂井瑠星です。
今回は悔しい思いをしたリヤドダートスプリント(ジャスティン6着)についてのご報告です。
追い切り後も調整は順調に進み、レース前日の調教の雰囲気は、落ち着いているなかにもレースに向けて気持ちが入っている感じがあって、「これなら自信を持って臨めるな」と思える状態でした。
▲調教中のジャスティン (提供:坂井瑠星)
その夜は、インターナショナルジョッキーズチャレンジに出場した菜七子の応援へ。世界のトップジョッキーたちと戦う同期の姿を見て、より一層モチベーションが上がりました。
勝つことはできなかったものの、総合4位という結果は本当にすごいことだと思います。菜七子にとっても、苦手なPCR検査をたくさん受けた甲斐があったんじゃないかなと思います(笑)。
▲インターナショナルジョッキーズチャレンジの時の藤田騎手 (提供:坂井瑠星)
ホテルに戻ってからは、再度リヤドダートスプリントに出走する馬たちの過去のレースVTRを見て勉強し、22時には就寝しました。
そうして迎えた当日、午前中はnetkeibaで日本の競馬をチェックしながらゆっくり過ごし、戸崎さんと一緒に12時のバスに乗って競馬場に向かいました。まだレースまで時間があったので、近くのジムに行って身体をほぐし、レースに備えました。
ジムには日本でもお馴染みのペリエ騎手やシェーン・フォーリー騎手など世界のトップジョッキーたちがたくさんいて、とても充実した時間を過ごすことができました。
競馬場のジョッキールームに入ると一気に緊張感が増しましたが、近くのロッカーにフランキー(デットーリ)騎手とペリエ騎手がいたのでとても賑やかでした(笑)。
▲ダートコースからみたスタンド (提供:坂井瑠星)
スムーズなら3着には入れたのではないか
ピンクカメハメハの勝利(サウジダービー)を見届けて、いざリヤドダートスプリントの発走です。パドックで見たジャスティンはいつも通りの気合い乗りで、雰囲気はよさそうでした。跨ってからも問題はなく、いい雰囲気で返し馬に行けると思ったのですが…。
馬場に出て走り出したそのとき、なぜか現地のポニー(誘導馬)が併せ馬をしてきて、ジャスティンのスイッチが入ってしまい、暴走気味の返し馬に。一度スイッチが入るとなかなか収まらないタイプなので、ゲート裏でも1頭だけ激しく入れ込み、発汗していました。ゲートのなかに入る頃には、逆に落ち着き過ぎて出遅れ。後方からのレースになってしまいました。
そこからは、僕の判断ミスで中途半端に馬群に突っ込み、スペースもなく、リズムの悪いレースに…。揉まれると弱いところがあるので、あそこまで出遅れたら切り替えて外に出すか、リズムよく後方から脚をタメるレースをするべきでした。
もちろん上位2頭(コパノキッキングとマテラスカイ)は強かったですが、スムーズなら3着には入れたのではないかと思います。過去にはどちらの馬にも先着したことがありますし、能力差はそこまでないと感じています。
「また次に頑張ろう!」と言ってくださった小田オーナー、矢作先生、厩舎スタッフ、そしてジャスティンに関わるすべての方々とファンの皆さんのためにも、必ず次のドバイで巻き返したいと思います。
次走(3月27日・ドバイゴールデンシャヒーン)までの約1カ月間はドバイに残り、ジャスティンの調教に乗りながら現地の厩舎の調教にも乗せていただき、チャンスがあればレースにも騎乗できればと思っています。
そろそろ味噌汁が恋しくなってきましたが(笑)、引き続き頑張ります!
▲レース後の様子「必ず次のドバイで巻き返します」 (撮影:平松さとし)