毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
開催替わりの中山芝はAコースで開幕した。洋芝も順調に成長して、見た目にも上々のコンディション。また、1月開催では内6メートル部分に内柵を設置していたため、柵でカバーされていたラチ沿いの芝状態の良さも目立つ。予想されたことだが、土曜は経済コースを器用に立ち回る先行馬の活躍が目立った。
中山はずっと雨が降っていないため、JRAの土曜午前7時測定の芝のクッション値は「11.9」で「やや硬め」。昨年12月から年初1月の開催では、タフでやや時計が掛かるコンディションが続いたが、当時とは一転して速い時計が出ている。
土曜は、芝競走は5鞍施行。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「4番手、2番手、2番手、3番手、2番手」と好位勢の活躍が目立った。また、逃げ切り勝ちこそなかったが、逃げ馬5頭の成績は2着2回、3着1回、着外2頭。ペースや馬の能力次第だが、逃げやすい舞台設定は整っている。
中山記念と同じ中山1800mで行われた10R・富里特別は前半4F50秒0〜後半4F46秒7の超スロー。3番手から抜け出した勝ち馬ダディーズマインドは上がり3F34秒0の切れる脚を使った。ただ重賞でここまで遅くなる可能性はまずなく、参考程度にとどめるべきかもしれない。
11R・幕張S(芝1600m)はトミケンボハテルが前半3F34秒3の速めの逃げ。2番手に控えたウインカーネリアンが早めに抜け出し、直線は芝状態の良いラチ沿いを駆け抜けた。勝ち時計1分31秒8が示す通り、重賞級の高速決着。3番手追走のエイムアンドエンドが2着。「内&前」が簡単に止まらないため、中団〜後方追走馬の外からの差しはなかなか決まらない。
中山記念は逃げ候補のバビットに絡む馬がいるか否かだろう。淡々と逃げる形だと、簡単には止まらない。ただ、前有利の状況は各騎手も把握しているだけに、全体的に流れる可能性はある。それでも、やはり前が有利かもしれない。