「違う競馬をしてみるわ」との宣言通り、ドルチェリアでは後方からの競馬を選択した小牧騎手。早めに上がっていく強気の競馬で勝ちにいきましたが、惜しくも4着に敗れました。今週の『太論』では、このレースを振り返るとともに、今週登録のあるキーフラッシュへの期待に言及。長年のファンとのほっこりエピソードも!(取材・文:不破由妃子)
※このインタビューは電話取材で実施しました。
帰りの新幹線のなかで「あれ? おかしいな」と…
──由布院特別(3月7日・小倉12R・ダ1700m)のドルチェリアは4着。これまでとは違う競馬で、現状打破を狙いにいきましたが。
小牧 ジックリ乗ったんやけどね。前も速かったし、4コーナーでは勝ちパターンにハマったと思った。でも、最後にやっぱり甘くなって。僕ね、3着やと思って戻ってきたんですわ。厩務員さんも3着のところにいたし、僕自身もかわされた感覚がなくて。てっきり残ったと思ってた。
──そうでしたか。
小牧 うん。新幹線のなかで結果をチェックしたら4着って書いてあるから、「あれ?おかしいな」と思ってね。そこでやっと気が付いたんですわ。馬券を買ってくれていたファンの人をガッカリさせてしまったね。迷惑をかけました。久々に2番人気やったし、最終レースやし、勝ちにきたなと思って馬券を買ってくれた人がたくさんいたと思うねん。新聞の取材にも「ジックリ乗る」って答えて、その通りに乗っていたしね。ホンマに残念やった。
──実際に勝ちにいっての結果ですから。
小牧 まぁそうやけど、馬券を買ってくれたファンにとっては、3着と4着は違うでしょう。結果論やけど、直線まで動かずに行けば3着はあったと思う。でも、3着を狙いにいったわけではないからね。勝つのは本当に難しい…。でもね、馬は本当に頑張ってくれている。これだけコンスタントに走ってくれる馬は、なかなかおらんよ。引き続き、いろいろ考えながら乗っていきますわ。
──佐賀から参戦したエアーポケットは14着(3月6日・小倉11R・八代特別・芝2000m)、グレアミラージュは7着(3月6日・小倉9R・4歳上1勝クラス・ダ1700m)。今後、変わってきそうな要素など、どんな印象を持ちましたか?
小牧 エアーポケットは、思ったより手応えよくついていけたね。馬もいい馬でしたよ。なかなか中央には来られへんと思うけど、慣れたらもうちょっといい競馬ができそうな感じはしました。グレアミラージュは、やっぱり1400mのほうがいいかもね。直線はずっと外にモタれていて、最後はどうしても止まってしまうから。一度1400mで乗ってみたいね。……あ~、美味いッ!
──小牧さん、ビール飲んでますね(笑)。
小牧 うん(笑)。京都のお風呂に来てんねん。で、このあとに伊勢丹で買い物をして帰るのが最近のパターンやね。なんせ伊勢丹のデパ地下で買い物をするのが好きやねん。魚屋さんも、もう僕の顔を知ってるし。
──「まいど!」って声を掛けられると以前にもおっしゃってましたよね。
小牧 そうそう。先週も伊勢丹に買い物に行ったんやけど、魚屋から離れたところにいたのに、わざわざ僕がいるところまで話しかけにきてね。そのときに話を聞いたら、その店員さんは昔から僕のファンやったんやて。よう声を掛けられたから、なんだか行きづらいなぁと思ってたんやけど、昔から応援してくれていると知って、ちょっと気が楽になったわ。
──純粋にうれしいですよね。
小牧 うん。この前も「頑張ってくださいよ!」って言ってくれて。ありがたいね。
──さて、今週は日曜日の伊丹Sにキーフラッシュの名前があります。
小牧 楽しみやね。落ち着いてくれていたらいいんやけどなぁ。最近はイレ込むことが多くてね。キーフラッシュは、イレ込んでいるときよりボーッとしてるときのほうがいいわ。
──それは返し馬の時点でわかるんですか?
小牧 そうやね。返し馬でボーッとしているときほど走ってるわ。東京に行ったときも前回もイレ込んでいたから。
──前走のあと、「今度は最初から外に出す競馬を」とおっしゃっていましたね。
小牧 うん。だから展開がカギやね。外目の枠やったら、なお競馬がしやすい。あと、今週はニホンピロランドも使う予定やけど、中京の1200mか阪神の1400mか、どっちを使うかやね。というのも、キーフラッシュがいるから、中京を使うようなら乗られへんねん。どっちも乗りたいんやけど、ランドは前回着外やったから、入らん可能性もあって。
──それは悩ましい。どちらも期待の大きな馬だけに。
小牧 そうやねん。キーフラッシュはもちろんやけど、ランドも勝てる力はある。今の時点では流動的やけど、3勝目を挙げられるように今週も頑張りますわ。